米シェブロン、ギリシャ海運会社とアンモニアキャリアの共同研究契約締結

(米国、ギリシャ)

ヒューストン発

2023年04月14日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は4月13日、ギリシャの海運会社アンジェリカス・グループ(本社:アテネ)と、低炭素な船舶燃料であるアンモニアを輸送するために、タンカーがどのように活用され得るかを調査する共同研究契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

初期の共同研究では、アンモニア輸送市場、既存インフラ、アンモニアの安全面、潜在的な次世代船舶の要件、米国メキシコ湾岸と欧州間のアンモニア輸送の予備システムを評価し、将来的には、さらなる世界市場に焦点を当てるとしている。

発表によると、アンモニアは水素を貯蔵運搬するためのキャリアで、海事産業の炭素強度(注)を下げる可能性があるとされている。両社は、本共同研究を通じて、特に石油化学、電力、モビリティー市場向けの輸出品として、アンモニアの技術的・商用的実現性を大規模に進めることを目指す。

シェブロン・ニュー・エナジーズの水素担当バイスプレジデントであるオースティン・ナイト氏は「水素市場の成長にはグローバルなバリューチェーンソリューションが不可欠であり、海運が重要な役割を果たすと確信している。当社は、国際海運の専門知識を活用し、アンジェリカス・グループと協力して、より低炭素なサービスを市場に提供することを目指す」と述べた。

シェブロンの直近の脱炭素化事業には、2月の循環型燃料経済拡大に向けた使用済み食用油のトラック燃料への再利用(2023年2月13日記事参照)、シンガポールのセムコープ・マリンとの低炭素型LNG(液化天然ガス)船隊改造プロジェクト発表(2023年2月28日記事参照)、3月のテキサス州沖合の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業を陸上にも拡張(2023年3月7日記事参照)、JERAと米国やオーストラリアでのCCS事業で提携(2023年3月8日記事参照)などがある。

(注)エネルギー単位当たりのCO2排出量、すなわち、CO2排出原単位を示す。炭素集約度とも呼ばれている。

(沖本憲司)

(米国、ギリシャ)

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