2月の自動車生産・販売は増加、サプライチェーン改善による生産力向上と在庫不足解消傾向が寄与
(メキシコ)
米州課
2023年03月15日
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は3月6日、2月単月の自動車統計(大型バスとトラックを除く)を発表した(添付資料表参照)。
生産は29万5,787台で、前年同月比9.9%増産した。メーカー別では、ゼネラルモーターズ(GM)が6万7,749台(前年同月比3.5%増)、日産が4万6,769台(13.0%増)、ステランティス(Stellantis)が4万2,418台(49.0%増)、フォルクスワーゲン(VW)が2万1,718台(60.0%増)、トヨタが2万566台(15%減)で増産が目立った。メキシコ自動車工業会(AMIA)のオドゥラシル・バルケラ会長は「引き続き自動車サプライチェーンの状況が改善されており、それが自動車の供給力向上に寄与している」と指摘した(「エル・エコノミスタ」紙3月7日)。
国内販売は10万1,911台(前年同月比28.0%増)で、1月に引き続き好調を維持した。月別では、クリスマスなどの季節的要因が影響し約12万台が販売された2022年12月を除くと、2021年1月以降で最も多かった(添付資料図参照)。前年同月比でみても2021年6月に41.1%増を記録して以来の高水準だった。新型コロナウイルスのパンデミック以降、2020年12月、2022年12月を除いて10万台を超える月がなかったが、この度、再び10万台を突破したことから、足元の国内需要が回復基調にあることが分かる。メーカー各社の生産体制が回復しつつあり、在庫水準が以前よりも改善されていることが国内販売の好調さに寄与しているとみられる。国内販売が好調を維持していることを受け、メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)のギジェルモ・ロサレス会長は「2月の結果は様々なメーカーで達成されてきた在庫水準の改善を反映している」と分析した(「エル・エコノミスタ」紙3月3日)。メーカー別では、日産が1万9,417台(前年同月比28.1%増)、GMが1万3,376台(9.2%増)、VWが8,727台(21.6%増)、Stellantisが8,179台(2.2倍)、起亜7,341台(4.6%増)と、メキシコ国内で販売台数が多いメーカー各社の増加幅が伸びたことで、2月の国内販売を下支えした。
輸出は23万484台で、 前年同月比14.2%の増加となった。仕向け地別にみると、自動車輸出台数の約75%を占める米国への輸出が9.2%増の17万5,063台で、輸出台数の増加に寄与した。
(小西健友)
(メキシコ)
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