BMW、高電圧蓄電池の組立工場をバイエルン州内に新設

(ドイツ)

ミュンヘン発

2023年03月28日

ドイツ自動車大手BMWは3月24日、ドイツ南部バイエルン州に高電圧蓄電池の組立工場を新設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

新工場の立地は、ミュンヘンから北東約140キロのシュトラウビング・ボーゲン。BMWは2023年2月、工場新設用に105ヘクタールの敷地を取得した。うち、まず60ヘクタールを新設の工場用地とする。着工は2024年の予定だ。

新工場では、他社から蓄電池用セルを含めた部品の供給を受けて高電圧蓄電池を組み立て、バイエルン州内のBMWの他工場に供給する。具体的には、ミュンヘン工場、ディンゴルフィング工場(新工場から南に約40キロ)、レーゲンスブルク工場(新工場から西に約50キロ)に納品、電気自動車(EV)に組み込まれる。BMWは約2年前から、高電圧蓄電池用の新工場建設を検討していた。当初は、バイエルン州内の既存3工場のいずれかの敷地内での新設を検討したものの、十分な用地が確保できないとして、3工場に地理的に近いシュトラウビング・ボーゲンに新設を決めた。新工場の雇用は約1,000人規模を予定。原則は既存工場からの配置転換とし、一部新規雇用で確保する予定。

2022年のミュンヘン工場の車両生産台数は20万1,323台、ディンゴルフィング工場は28万2,661台、レーゲンスブルク工場は14万3,654台。いずれの工場でも、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)を生産している。2025年にハンガリー東部のデブレツェン工場(2018年8月3日記事参照)で生産を開始する、次世代BEVモデル「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」も、2026年からはミュンヘン工場でも生産する予定だ。

BMWは、原材料価格の安定性や充電インフラが整うなどの諸条件がそろえば、2030年よりかなり前に、BEVのシェアを5割以上にすることができるとしている(2023年3月23日記事参照)。2022年のBMWのEVの生産台数は前年比35.6%増の46万2,396台で、うちBEVは2.1倍の25万2,077台となっている。

(高塚一)

(ドイツ)

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