BMWがデブレツェン近郊に工場建設へ

(ハンガリー)

ブダペスト発

2018年08月03日

ハンガリー政府は7月31日、BMWがハンガリー東部にある第2の都市デブレツェン(人口20万人)近郊に工場を建設すると発表した。敷地面積は400ヘクタール、投資総額は10億ユーロ、従業員は1,000人規模、年間生産台数は15万台規模で燃料系および電動自動車(EV)系の車種を1つの製造ラインで生産する計画という。操業開始時期は明らかにされていない。

ハンガリーでは、日系のマジャール・スズキと、アウディ〔A3、TTクラス、RS3、(Q3は2018年中に生産開始予定)〕、メルセデス(A、Bクラス、CLAクラス)が既に生産を行っており、BMWの参入によりドイツのプレミアムカー(高級車)メーカー3社全てが生産を行うことになる。

生産拠点に選ばれたデブレツェンは工学部を含む総合大学のある東部の中核都市だが、ブダペスト首都圏に比べ外資の進出が少なく、政府が積極的に投資誘致をしている。現在、ルフトハンザ航空がデブレツェンとドイツ・ミュンヘン間を週5便運航しており、周辺地域の日系企業としてはHOYA(レンズ)や明治ゴム化成(ゴム製品)が操業中、JSR(タイヤ用ゴム)、GSユアサ(リチウムイオンバッテリー)は製造を準備中だ。

シーヤールトー・ペーテル外務貿易相は、「低い法人税率、柔軟な労働関連法、充実した職業訓練制度や高度なIT・技術教育がBMWに認められた」と述べた。

なお、発表に先立つ7月24日、アウディ・ハンガリーは、ベルギー・ブリュッセル工場で組み立てている電動スポーツ用多目的車(SUV)の駆動部をハンガリー工場で製造することを明らかにしており、当初の日産400基を徐々に引き上げる計画だ。ドイツ系メーカーのEVへのシフトがハンガリーの生産現場にも変化をもたらし始めている。

(本田雅英、バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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