世界トップレベルのデジタル化へ向け「デジタル中国建設全体レイアウト計画」発表

(中国)

北京発

2023年03月07日

中国の共産党中央委員会と国務院は「デジタル中国建設全体レイアウト計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。計画は、デジタル中国建設はデジタル時代に中国式現代化を進める重要なエンジンで、新たな競争優位を築く支柱になるとの観点から、各分野のデジタル化を推進するというもの。

計画では、2025年までの目標として、デジタルインフラの効率的な連携や、データリソースの規模と質のレベルアップ、データ要素価値の効果的な発揮、デジタルエコノミーの発展の質と効率の向上、政府業務のデジタル化・スマート化レベルの向上、デジタル分野の国際協力の新たな局面を切り開くことなどを挙げている。

2035年までの目標として、デジタル発展レベルを世界トップレベルとし、デジタル中国建設の大きな成果を得るとする。また、経済、政治、文化、社会、生態文明の建設といった分野でデジタル化発展の協調を向上し、社会主義現代化国家の全面的な建設を支える。

計画では「2522」と呼ばれる枠組みを示している。「2522」はデジタルインフラとデータリソースシステムの2つの基礎固め、デジタルテクノロジーと経済、政治、文化、社会、生態文明の「五位一体」の融合、デジタルテクノロジーイノベーションシステムとデジタルセキュリティーバリアの2つの能力強化、デジタル化発展の国内外の2つの環境の最適化からなる。

デジタルインフラ建設では、第5世代移動通信システム(5G)と1Gbpsネットワークの建設やIPv6の推進、データセンター、スーパーコンピューティングセンター、スマートコンピューティングセンター、エッジデータセンターなどの合理的な配置や、公衆衛生、科学技術、教育などの分野で国家データベース構築を目指す。

セキュリティー面では、「自立自強」のデジタルテクノロジーイノベーションシステムを構築するとともに、サイバーセキュリティー関連の法整備や、データ分類・レベル別保護制度の構築などを通じてデジタルセキュリティーバリアを築く。

国際協力では、国連、WTO、G20、APEC、BRICS、上海協力機構(SCO)などの多国間枠組みでのデジタル分野の協力プラットフォーム構築や、データの国境を越えた流通に関する国際ルール構築に積極的に参画する。

上海財経大学EC研究所の崔麗麗執行所長は、計画に基づいて「デジタルインフラ整備に巨額の投資が行われ、中国のデジタルテクノロジーのコア産業の発展につながる」としている(「封面新聞」3月2日)。

(河野円洋)

(中国)

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