タイ税関、関税過少支払いの修正申告プログラムを周知
(タイ)
バンコク発
2023年03月01日
タイ税関は2月9日、意図せず関税を過少に支払っていた場合に自主的に修正申告できるワンストップサービス・プログラムについて、あらためてウェブサイトで周知を行った。同プログラムは、2021年10月1日から開始しており、2026年9月30日まで有効。輸入物品の関税番号や関税率を誤って申告した企業が後々になって気付くケースなどがあり、ジェトロにも修正申告方法など関連の問い合わせが寄せられている。自由貿易協定(FTA)による特恵関税率を利用して輸入した後、後日になって原産性が達成されてないなど、誤りが判明した場合も同様の対応で申告できる。
同プログラムでは、輸入者が自己申告書をタイ税関の監査部門に提出し、支払うべき関税・税金の検討を依頼し、不足分を追加で支払うことができる。タイ税関による事後監査・調査によって発見されるケースに比べて、延滞金の減免や罰金の免除を受けられるメリットがある。
通常の延滞金は延滞期間1カ月当たり不足関税分の1%であるところ、通関日から1年以内に自己申告した場合には0.25%、1年超~2年以内の場合は0.5%、2年超~3年以内の場合は0.75%に軽減される。ただし、輸入者は、関税・VAT(付加価値税)の納税不足額、VAT罰金(VATの納税不足額と同額)、VAT延滞金(1カ月当たりVAT不足分の1.5%、ただしVATの納税不足額を超えない範囲)を支払う必要がある。
また、関税への罰金については、タイ関税法(2017年)第202条では、情報内容に誤りが生じる/不完全な申告書を提出した場合は50万バーツ(約200万円、1バーツ=約4円)以下の罰金刑と規定されている。また、同法243条では、故意に関税納付を免れようとした場合は10年以下の禁錮刑、または納税不足額の半額~4倍以下の罰金刑、またはその両方を科するとしている。タイ税関の第243条にかかる実務ガイドラインでは、罰金額は脱税額が5万バーツ未満であれば納税不足額の半額、5万バーツ以上10万バーツ未満であれば同額、10万バーツを超える場合は倍額、申告書類の記載事項を無断に修正したり、公印・署名を偽造したりなどしていた場合は4倍となっている。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ)
ビジネス短信 f15ee48496b09f22