デュッセルドルフで群馬県産食品フェアを開催、成長著しいビーガン食品市場との親和性に期待

(ドイツ、群馬)

デジタルマーケティング課

2023年03月24日

ジェトロは、3月2~4日にドイツ・デュッセルドルフ市内の日本食材スーパー「松竹」において「群馬フェア」を開催した(高崎市・高崎商工会議所と共催)。同イベントは、ドイツの一般消費者と飲食店関係者などをターゲットとし、群馬県産食材のPRならびに販売促進・現地ニーズ調査を目的に実施された。

近年、ドイツは世界有数のビ―ガン(完全菜食主義者)食品の市場として注目されている。ドイツ連邦統計局の2022年5月9日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ドイツ国内の1人当たり食肉消費量は減少傾向で、2021年は1989年の統計開始以降で最低水準となった。一方で、豆腐を使ったソーセージやグルテンで作られたステーキなどの肉代替製品の生産量は、2021年に9万7,900トン(前年比17.0%増、2019年比62.1%増)を記録するなど、市場の変化・活性化が目覚ましい。

今回のイベントには、群馬県からビ―ガン対応食品を取り扱う3事業者〔牧野酒造(日本酒)、ゆあさ農園(梅干し)、ツトム食品(コンニャクなど)〕が参加した。店舗入り口付近の特設スペースでは、重点的に15社40種類の群馬産品を配置し、試食・試飲を含むプロモーションを行った。平日には約700人、フェア最終日の土曜日には2,000人の来場者があった。

本イベントは2020年度から開催を計画してきたものの、新型コロナ禍による影響を受け今回が満を持しての開催となった。同スーパーでは、今回参加した事業者の商品が取り扱われているが、フェアでは普段は取り扱いがない商品も持ち込まれた。開催2日目には、限定製造品の日本酒など、売り切れる商品が一部発生するほどの盛況ぶりだった。

今回参加した事業者は「新型コロナ禍では海外の消費者との対話機会がなく、しばらくは想像の範疇(はんちゅう)で製品づくりに取り組んできた。今回は現地で直接反応を吸収できた貴重な機会であり、今後の商品改善につなげていきたい」と話した。また、試食を体験した来場者からは「コンニャクなど初めて口にした食材が多かったが、全てビ―ガン対応の食材と聞き、より一層の興味を持った。近年のドイツ国内での食生活とは親和性が高いと思う」との声も聞かれた。今回のフェアは、変化するドイツ市場への日本食品の展開において、ますますの可能性を感じさせるイベントとなった。

写真 店頭入り口には、群馬県産食品の特設コーナーが設けられた(ジェトロ撮影)

店頭入り口には、群馬県産食品の特設コーナーが設けられた(ジェトロ撮影)

写真 フェア対象商品の陳列棚・試食試飲コーナーには常に人が絶えなかった(ジェトロ撮影)

フェア対象商品の陳列棚・試食試飲コーナーには常に人が絶えなかった(ジェトロ撮影)

(野崎太輔)

(ドイツ、群馬)

ビジネス短信 e52b18a3e632ca62