ジェトロ、上海市で最大規模の日本産酒類商談会を開催

(中国)

武漢発

2023年03月28日

ジェトロは3月17日、中国・上海市で日本酒などのPRや販路開拓を目的とした「日本産酒類BtoBマッチングイベント」を国税庁と共催で開催した。商談会には、上海市など中国に拠点を置く日系企業、輸入業者、蔵元など68社が出展した。また、上海市などの貿易会社や小売事業者、レストラン事業者、飲食関係サービス事業者など約800人のバイヤーが来場し商談が行われた。ジェトロが中国で開催した日本産酒類(焼酎、ワイン、梅酒などを含む)に関する商談会としては過去最大規模となった。

商談会に向けてジェトロは、白酒やワインなどを扱うバイヤーを購読者に持つオンラインメディア「雲酒頭条」と連携することで、日本産酒類を扱う日本食レストランや卸売業以外にも声掛けを行うことができ、新たなバイヤーの開拓や招集につながった。また、「雲酒頭条」は、中国バイヤーへの日本産酒類の情報発信や裾野拡大に向けて、出展事業者の商品を3月11、14日および17日にライブで紹介したところ、延べ43万人以上の視聴があった。

商談会に参加した日系企業からは「日本産酒類に強い関心を持つ熱心なバイヤーがたくさん来場していて驚いた」「貿易会社や卸業者、レストランなど幅広いバイヤーと多くの商談ができた」「赤色や黄色といった色鮮やかなお酒に興味を持ってもらえる。見た目から入るバイヤーが多いようだ」「梅酒などの果実酒をはじめとした、さっぱりとした、もしくは甘くて飲みやすいお酒だけでなく、酸味のある日本酒が人気だった」「創作中華など新しいものに敏感な飲食事業者も多数参加していたため、新規販路の開拓の可能性が見えた」といったコメントも聞かれた。一方で、「自社や自社のブランドがあまり認知されていないため、まずはさまざまなバイヤーと積極的な商談を行い、認知してもらうところから始める必要がある」と課題を再認識する出展者もいた。

写真 会場の様子(虹橋品匯提供)

会場の様子(虹橋品匯提供)

中国向け日本産酒類の輸出額は大幅増

国税庁によると、2022年における日本産酒類の中国向け輸出額は、前年比23.3%増の394億8,800万円と大幅に増加しており、輸出額全体(前年比21.4%増の1,392億2,400万円)の28.4%を占めた。また、品目別でみると、清酒やウイスキーなどの6品目において、中国向け輸出額がトップとなった。

なお、2022年1月に発効された、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に基づき、中国へ輸出される日本産酒類(HSコード:2208)の関税が段階的に引き下げられている。2022年11月の国税庁の発表によると、発効から20年以降に、清酒をはじめとする一部日本産酒類の関税が撤廃される見通しだ。

(楢橋広基)

(中国)

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