2月の米向け海上コンテナは前年同月比23.7%減、アジア上位10カ国・地域で日本が唯一前年同月比増

(米国、日本、中国)

米州課

2023年03月29日

米国調査会社デカルト・データマインが発表した、米国向け海上コンテナ輸送量に係る2023年2月分のデータによると(注1)、2月の米国向け海上コンテナは前年同月比23.7%減の173万7,221TEU(20フィートコンテナ換算)で、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナは28.9%減の118万8,084TEUとなった(添付資料表1参照)。1月(2023年2月21日記事参照)と比べると、米国向け海上コンテナ全体で16.0%、アジア上位10カ国・地域からの海上コンテナで16.6%の減少となっている。

アジアの国・地域別で、米国向け海上コンテナの輸送量をみると、上位から中国、韓国、ベトナム、台湾、シンガポール、インドの順となり、前年同月からインドとシンガポールの順位が入れ替わった。日本は9位から7位に上昇した。中国を出港地(注2)とする海上コンテナは、前年同月比35.4%減の67万2,272TEU(寄与度:マイナス16.2ポイント)で、6カ月連続で20%以上の減少となった。同国が米国向け全体に占める割合は38.7%(前年同月差:7.0ポイント減)となっている。また、アジア上位10カ国・地域が米国向け全体に占める割合は5.0ポイント減の68.4%だった。このうち前年同月から輸送量が増加したのは、日本(13.1%増、3万2,073TEU)のみで、そのほかの国・地域では減少した。中でも、マレーシア(37.3%減、1万5,377TEU)の減少幅が最も大きく、中国(35.4%減、67万2,272TEU)、香港(33.5%減、2万928TEU)がこれに続いた。

中国と日本発の海上コンテナの内訳を荷受け地ベースで確認すると、中国発は前年同月比34.5%減の66万6,070TEUだった。HS上位2桁をみると(添付資料表2参照)、上位10品目はいずれも、前年同月から25%以上減少している。輸送量最大の家具、寝具(HS94類)が前年同月比37.8%減(寄与度:マイナス7.3ポイント)の12万2,029TEU、2番目に輸送量の多い一般機械(HS84類)が26.8%減の7万5,168TEUなどとなっている。減少幅が最も大きかった品目は玩具、遊戯用具(HS95類)で、46.6%減の4万4,222TEUだった。玩具、遊戯用具の減少幅最大は4カ月連続の傾向となっている。

日本発は4万7,670TEUで、母船積み地ベースより増加幅は小さいものの、前年同月比5.3%の増加だった。HS上位2桁をみると、輸送量最大の一般機械(HS84類、1万1,578TEU)と2位の自動車・同部品(HS87類、9,799TEU)で、寄与度がそれぞれ2.1ポイント、1.0ポイントのプラスで、全体を押し上げる要因となった。なお、上位10品目とその順位に変動はなかった。

(注1)データは随時更新される。本記事は3月28日にダウンロードしたデータに基づく。

(注2)母船積み地ベースであることを意味する。

(片岡一生)

(米国、日本、中国)

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