2月の乗用車販売は前年同月比11%増、過去最高続く

(インド)

ベンガルール発

2023年03月20日

インド自動車工業会(SIAM)は3月10日、自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、2023年2月単月では前年同月比11.0%増の29万1,928台で(添付資料表1参照)、2022年5月以降10カ月連続でプラス成長を続けている。2022年4月~2023年2月では、前年同期比29.8%増の346万1,716台だった。2月単月は二輪車および三輪車ともに販売台数を伸ばし、自動車全体(乗用車、二輪車、三輪車)の販売台数合計は前年同月比9.8%増の147万2,078台となった。

部門別でみると、一般乗用車は前年同月比6.5%増の14万2,201台、UVは15.1%増の13万8,238台、バンは23.7%増の1万1,489台といずれも販売台数を伸ばした。

SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は、乗用車は引き続き、過去最高の販売台数を記録し、2022年4月~2023年2月でも過去最高の販売台数となった、二輪車は前年同月比と比較して8%の緩やかな成長を記録した、とコメントした。また、ビノド・アガルワル同会長は、消費者向けの連邦予算による好況について触れたうえで、金利の引き上げによる借り入れコストの上昇への懸念を示した。併せて、自動車業界は2023年4月から全車種を対象とした排出ガス規制、バーラト・ステージ・シックスのフェーズ2(Phase 2 of BS 6 Emission Norms、注)に移行する体制を整えている、ともコメントした。

2月単月のメーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキは14万7,467台で前年同月比10.1%増、韓国の現代は6.7%増の4万7,001台、地場のマヒンドラ&マヒンドラは9.7%増の3万358台、起亜は35.8%増の2万4,600台と、いずれも前年同月から販売台数を伸ばしている。ほかの日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが75.2%増の1万5,323台と増加した一方、ホンダが15.3%減の6,086台、日産が11.1%減の2,184台だった(添付資料表2参照)。なお、地場のタタ・モータースはSIAMの2月単月の統計には含まれていないが、同社発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると4万2,862台(前年同月比7%増)を売り上げたもようだ。

車種別では、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計7万9,898台、前年同月比3%増)、同ミニモデル(「アルト」など計2万1,875台、11%増)、現代のコンパクトモデル(「i20」など計2万4,446台、20%増)が販売台数上位だった。またUVでは、マヒンドラ&マヒンドラ(「ボレロ」など計1万8,595台、10%減)、スズキ(「ブレッツァ」など1万5,787 台、71%増)といったコンパクトUVや、スズキ(「グランドビターラ」など1万5,655台、22%増)、マヒンドラ&マヒンドラ(「スコーピオ」など計1万1,626台、69%増)などのスポーツ用多目的車(SUV)が販売上位の傾向が続いている。

2月単月の二輪車販売は、前年同月比7.6%増の112万9,661台だった(添付資料1,3参照)。主要部門のオートバイは6.9%増の70万3,261台、スクーターは9.8%増の39万1,054台と増加した一方、モペッドは1.4%減の3万5,346台と減速した。

(注)インド道路交通・高速道路省(MoRTH)による自動車への質量排出ガス基準の規定。なお、フェーズ1は2020年4月から適用されている。

(松田かなえ)

(インド)

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