鳥インフルエンザ感染拡大で鶏肉・鶏卵輸出を一時停止、国内物価高に懸念も

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年03月22日

アルゼンチン国家農畜食料衛生品質管理機構(SENASA)は3月17日、国内の高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)感染疑い事例約300件以上を検査した結果、58件が陽性だったと発表した。アルゼンチンでは、2月15日に国内初の高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)への野鳥の感染例が確認されていた(2023年2月24日記事参照)。

SENASAは2月28日、アルゼンチン南部リオ・ネグロ州の養鶏場で鳥インフルエンザへの感染が確認されたと発表した。養鶏場では国内初の感染例だったことから、SENASAは国際基準にのっとり、同国が一時的に鳥インフルエンザの非清浄国となったと判断し、鶏肉、鶏卵などの輸出を自粛する旨を発表した。

3月19日付の国営テラム通信によると、国内での鳥インフルエンザ発生で約70万羽が処分され、うち30%は感染によって死亡し、残りの70%は殺処分されたとSENASA関係者が伝えている。

農畜水産庁によると、アルゼンチンの2022年の鶏肉生産量は231万9,000トンで、うち約12%が輸出された。国内の1人当たり鶏肉年間消費量は約46キロ。鳥インフルエンザ発生後は鶏肉および鶏卵の価格が高騰しており(2023年3月20日記事参照)、消費者物価指数(CPI)を押し上げる要因の1つとなりそうだ。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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