2022年GDP成長率、中銀予測を下回る2.7%、第4四半期が3期連続の低下
(ペルー)
リマ発
2023年03月06日
ペルー国家統計情報庁(INEI)は2月23日、2022年の実質GDP成長率は2.7%、同年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は前年同期比1.7%と発表した。第4四半期の成長率は、利上げ局面によって3期連続で低下し、2022年で最も低い成長率を記録した。この結果、2022年通年では、中央準備銀行(BCR)の当初予測値の2.9%を下回ったものの、2年連続でのプラス成長を達成した。INEIによると、第4四半期は主に家庭消費を中心とした内需と公共投資を中心とした総固定資本形成が成長に寄与した。一方、第4四半期の民間投資はマイナス1.8%と、第3四半期に続いてマイナス成長を記録した。年率でもマイナス0.3%と前年から大きく後退した。
第4四半期の需要項目別をみると、雇用の改善(前年同期比3.6%増)と月収の改善(同11.4%増)に後押しされた民間消費が前年同期比で2.3%成長した。金額ベースで1,520億700万ソル(約5兆4,723億円、1ソル=約36円)と、GDPの61.6%を占めた。政府消費は、公衆衛生支出が前年同期比でマイナス22.4%と大きく減少し、第4四半期は4.1%減、年率でも1.1%減と、それぞれマイナスを記録した。総固定資本形成では、民間投資が建設分野のほか、鉱業分野が前年同期比で7.9%減少した。財・サービスの輸出では、第4四半期は前年同期比0.1%増加した。2022年通年では、天然ガス輸出が牽引役となり2,前年比5.9%増加した。輸入では、輸送車両や燃料の輸入を中心に第4四半期は前年同期比1.9%、年率で4.2%の成長を記録している(添付資料表1参照)。
第4四半期の経済活動別をみると、レストラン・ホテル(前年同期比7.9%増)、運輸(同6.2%増)、鉱業(同5.4%増)、電気・ガス・水道(同5.2%増)、建設(同4.7%増)などが増加したのに対して、水産業は魚粉用のカタクチイワシの第2期漁の開始が遅かったため漁獲量が減少し、前年同期比16.2%減と大きく減退したほか、製造業(同2.2%減)、金融サービス(同5.0%減)、通信(同6.8%減)などがそれぞれ後退した(添付資料表2参照)。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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