インドネシア税関、原産地証明書の電子化などについて解説

(インドネシア、日本)

ジャカルタ発

2023年03月16日

ジェトロは39日、インドネシア関税総局から講師を招き、日本・インドネシア間で利用可能な経済連携協定(EPA)について解説するオンラインセミナーを実施した。両国のEPAに関して、経済産業省は20221227日、日本初となる原産地証明書のデータ交換を日本・インドネシア経済連携協定(IJEPA)で導入することを発表していた。さらに、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定(注)が202312日にインドネシアで発効した。ジェトロにはRCEP協定に関する問い合わせが増加するなど、日系企業の関心が高まっている。

セミナーでは、RCEPIJEPA、日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)など、それぞれのEPAの実務に関して、インドネシア関税総局から説明が行われた(添付資料参照)。特に、RCEP協定の原産地規則(ROO)とAJCEPIJEPAとの相違点、RCEP協定に関するインドネシア国内法令・規制、関税差ルール、インドネシア・日本間の重要貿易品目の特恵関税率、品目別分類規則(PSR)の相違点について紹介があった。

IJEPAについては、インドネシアにおける原産地証明書の電子交換の現状とそのメリット、同システムによる交換の具体的なスキームが説明された。導入スケジュールに関しては、パイロットプログラムの実施を皮切りに、2023年中を予定しているとの説明が行われた。

参加した日本企業関係者からは、RCEP協定の利活用や、インドネシアにおける他国との電子原産地証明書(ECOO)交換の運用状況、電子原産地証明書(ECOO)提出後の修正手順などについて質問があり、関心の高さがうかがわれた。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

(注)RCEP協定は、日本、韓国、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ブルネイ、ミャンマー、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国が参加する大型の経済連携協定。2022年1月に日本、中国、シンガポール、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの10カ国で発効した。韓国については同年2月1日に発効し、マレーシアについては同年3月18日、インドネシアでは2023年1月2日にそれぞれ発効。

(中村一平)

(インドネシア、日本)

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