フィンランドのネステ、持続可能な航空燃料を複数企業へ供給

(フィンランド、ハンガリー、米国、ベルギー、アラブ首長国連邦、オーストラリア、日本)

ロンドン発

2023年03月07日

フィンランドの再生可能燃料メーカーのネステは2月22日、2025年からハンガリーの航空会社ウィズエアーに、持続可能な航空燃料(SAF)を供給する契約を結んだことを発表した。契約期間は3年で、ウィズエアーが毎年3万6,000トンのSAFを購入できるとしている。ウィズエアーは、2030年までに乗客1人当たり・1キロメートル当たりの二酸化炭素排出原単位を25%削減し、2050年までにネットゼロ排出を達成する戦略を立てている。

このほかにも、ネステはSAFを複数地域の航空関連企業に供給している。1月には、ブリュッセル航空へのSAFの納品を発表したほか、エミレーツ航空による、大型旅客機のエンジン1基にネステのSAFを100%使用する実証飛行の実施を発表した。また2月15日には、米国のボーイングへの、5,200トンのSAFの供給を発表した。

日本貨物航空は2022年11月と12月に、ネステのSAFを使用した貨物便を運航した。本事例のSAFは、ネステによりアムステルダム・スキポール空港で供給された。同社は、ネステとの事業を拡大し、SAFの使用による航空機の二酸化炭素排出量を削減するという。

飛行機以外にも、SAFの利用は拡大している。米国航空宇宙メーカーのベル・テキストロンは、2月22日に100%SAFを使用した単一エンジンヘリコプター「ベル505」の初飛行に成功した。使用されたSAFは、ネステと米国の化学メーカーのビレントが共に製造したもの。100%SAFで飛行する単一エンジンのヘリコプターは「ベル505」が世界初という。また、2月28日には、ネステ、エアバス、フランス航空宇宙メーカーのサフラン・エンジンズ、オーストリアのヘリコプター運航大手マイクロフライトが共同で、オーストラリア初のSAFを使用したヘリコプターの飛行を実施したことを発表した。

(レイナー・あや、半井麻美)

(フィンランド、ハンガリー、米国、ベルギー、アラブ首長国連邦、オーストラリア、日本)

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