EUの2021年の海上貨物輸送の割合、過去10年で最低

(EU)

ブリュッセル発

2023年03月24日

EU統計局(ユーロスタット)は3月15日、2021年のEUの貨物輸送量を輸送手段別でみると(注)、海上輸送が67.9%となり、過去10年間で最も低い割合となったと発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。そのほかの輸送手段の割合は、道路輸送が24.6%、鉄道輸送が5.4%、内陸水上輸送が1.8%、航空輸送が0.2%だった(添付資料表1参照)。海上輸送の割合は、前年比で0.9ポイント減となった。また、過去10年間で最も高い割合を記録した2012年の69.8%と比べると1.9ポイントの減少だった。一方、道路輸送の割合は、前年比0.6ポイント増となり、過去10年間で最も高い割合となった。鉄道輸送の割合も、前年比で0.2ポイント増とわずかに拡大したものの、10年前と比べると0.3ポイントの低下だった。内陸水上輸送は、2018年以降、1.8%の割合を維持しているものの、2012年比で0.4ポイント減となった。航空輸送の割合は最も低く、過去10年間変化していない。

2021年のEUの貨物輸送手段を加盟国別でみると、海岸線を持つ22加盟国のうち、ポルトガル(98.1%)、キプロス(97.9%)、ギリシャ(96.5%)などの10カ国で海上輸送の割合が70%超となった(マルタのデータは未入手、添付資料表2参照)。道路輸送の割合では、海岸線を持つ加盟国の中では、ポーランド(70.2%)が最も高く、次いでスロベニア(58.7%)、ドイツ(55.0%)が続いた。鉄道貨物輸送の割合が50%超となったのはリトアニア(52.8%)の1カ国のみだった。

(注)各貨物輸送手段の割合は、輸送した個々の貨物重量(トン)にそれぞれの貨物を輸送した距離(キロ)を乗じたものを累積した「輸送トンキロ」の実績に基づいて計算。

(大中登紀子)

(EU)

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