2月のミャンマーPMI、10カ月ぶりの景気拡大水準に

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2023年03月23日

米国金融情報会社S&Pグローバル(以下、S&P)の3月1日付発表によると、2023年2月のミャンマーの製造業購買担当者景気指数(PMI)(注1)は51.1だった(添付資料図参照)。2021年4月以来、10カ月ぶりに景気拡大と悪化の分岐点となる50を上回り、景気拡大水準となった。1月のPMIは49.6だった。

2月は生産のペースが加速したこと、また需要の増加に伴う受注増によってPMIが前月を上回った。加えて、雇用削減率が直近8カ月で最も低く、増加する受注に対応するため、採用活動を活発化させる企業もあった。

一方、資材不足や停電など供給面での制約が続いており、ミャンマー製造業の景気回復の先行きに影を落としている。具体的には、こうした製造過程における供給制約のため、受注残(注2)が増加しており、今後新たな発注が増えるほど受注残も増加するとみられている。その結果、在庫への依存度が高まり、半製品、完成品ともに在庫が急激に減少している。また、インフレに伴う原料高や不利な為替レートによるコスト高が企業の負担となっている。

S&Pエコノミストのマリアム・バルーチ氏は「2月のミャンマーのPMIが50を超え、製造業の景気回復傾向を表わしている。一方で、供給面の課題が継続しており、企業が増加する需要に対応できるかどうかについては疑問が残る」と分析した。

(注1)製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫レベル、雇用状況などの指数に一定のウエートを掛けて算出する指数。0から100の間で変動し、50.0は「前月から横ばい」、50.0を超えると「前月比で改善や増加」を意味して景気拡大を示し、50.0未満は「前月比で悪化や減少」として景気減速を表す。

(注2)受注した製品を取引先にまだ納品できていないこと。

(アジア大洋州課)

(ミャンマー)

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