2022年のGDP成長率はマイナス7.8%、経済危機の影響が鮮明に
(スリランカ)
アジア大洋州課
2023年03月23日
スリランカのセンサス統計局は3月15日、2022年第4四半期(10~12月)のGDP成長率を発表した。成長率は前年同期比マイナス12.4%と、2期連続の2桁減となった(添付資料図参照)。2022年に入って、4四半期連続のマイナス成長が続いた。同時に発表した2022年通年の成長率は、マイナス7.8%と2年ぶりにマイナスに転じた。落ち込みの要因として、同局は、経済危機の深刻化、電力供給の途絶、燃料・原材料・外貨の不足などが背景にあったと分析する。同年の主要産業は、農業が4.6%減、工業が16.0%減、サービスが2.0%減と、いずれも前年のプラス成長からマイナス成長に陥った。
四半期ベースの成長率をみると、第3四半期の成長率はマイナス11.5%と2桁減になり、この時期で経済は底を打ったとみる向きもあった中、第4四半期の成長率がさらに縮小した点は関係者に驚きを与えた(「デイリーミラー」紙2023年3月17日)。現地日系企業からは、実体経済の回復はIMFからの支援がカギを握るとの声が聞かれる中、3月20日にIMFがスリランカへの総額30億ドルの金融支援を表明したことは、今後の実体経済回復の契機になると期待される(2023年3月22日記事参照)。
(新田浩之)
(スリランカ)
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