2月のCPIは前年同月比6.44%上昇、2カ月ぶりに減速

(インド)

ムンバイ発

2023年03月30日

インド統計・計画実行省(MOSPI)が3月13日に発表した2月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は176.8ポイント(速報値)で、前年同月の166.1ポイント(確報値)と比較し、6.44%上昇した(添付資料図参照)。上昇率は、インド準備銀行(RBI、中央銀行)がインフレ目標の上限に定める6%を2カ月連続で上回ったが、1月の6.52%から2カ月ぶりに減速した。RBIは2月8日に開催した金融政策決定会合(MPC)で、政策金利(レポレート)を0.25ポイント引き上げ、6.50%に即日利上げし、6会合連続の利上げを決定していた(2023年2月22日記事参照)。

なお、インフレ圧力の高まりが懸念され、2022年度第4四半期(2023年1~3月)のCPI上昇率は5.7%(前回会合比0.2ポイント減)と予測されており、引き続き今後の動向が注視される。

品目別の上昇率では、CPIの比重の約5割を占める食品・飲料は6.26%だった。その内訳は、2桁の伸びを示した香辛料(20.20%)や穀物・同製品(16.73%)などを中心に、牛乳・乳製品が9.65%と高く、果物も前年同月比2.93%から6.38%に拡大した。

インフレ率高騰の背景には、新型コロナ禍から経済回復期にある中、ロシアによるウクライナ侵攻によってもたらされた不確実性が世界的なサプライチェーンの混乱を複雑化させたことも一因と考えられる。

上昇率がマイナスに転じた品目は野菜(マイナス11.61%)、油・油脂(マイナス0.49%)で、前年同月を下回った。

食品・飲料以外の品目では、燃料・電力が前年同月比9.90%で最も高く、履物(9.79%)、パーソナルケア(9.43%)と続いた。

地域別CPIをみると、農村部は前年同月比6.72%(1月から0.13ポイント減速)、都市部は6.10%(同0.10ポイント上昇)だった。

(注)全国ベースのCPIは、基準年2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(松永宗徳、寺島かほる)

(インド)

ビジネス短信 57f3704acfb7ce21