インド中銀、6会合連続で利上げ

(インド)

ムンバイ発

2023年02月22日

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は2月8日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を0.25%引き上げ、6.50%に即日利上げすることを委員6人のうち4人の賛成多数で決定した。今般の措置で6会合連続での利上げとなった(添付資料図参照)。

RBIのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、世界経済について、地政学的な敵対関係が続く中、各国の金融引き締め政策の影響がみられるものの、見通しはここ数カ月改善している。その一方で、国内経済は堅調な国内消費に支えられ、都市部の需要は好調な自動車販売(2023年1月18日記事参照)や国内航空旅客輸送に反映されるなど引き続き好調で、農村部の需要も改善しつつあると評価している。

消費者物価指数(CPI)インフレ率は、2022年11月は5.9%、12月は5.7%と緩やかな上昇にとどまっている。他方、食料や香辛料のインフレ圧力が強まり、燃料、特にケロシン価格が上昇し、食料と燃料を除くコアCPIについては、健康、教育、日用品のインフレ圧力が続いており、12月には6.1%に上昇したとしている。長引く地政学的緊張により供給不足リスクが続いていることと、世界各国での新型コロナウイルス感染に関する移動規制緩和により商品価格、特にサービス業で投入コストの価格転嫁が続いており、引き続きインフレ圧力がかかる可能性があることを考慮し、第4四半期のCPI上昇率は5.7%(前回会合比0.2ポイント減)、2022年度(2022年4月~2023年3月)は6.5%(0.2ポイント減)と許容範囲の上限6%を超えると予測している。

実質GDP成長率については、世界経済の減速が外需や輸出に悪影響を与える可能性がある一方、国内では農業の見通しが明るいため農村部の需要が高まり、サービス業の回復が都市部の消費を支え、政府が設備投資とインフラ整備を引き続き推進していることが民間投資の好環境を創出しているとし、第1四半期は7.8%、第2四半期6.2%、第3四半期6.0%、第4四半期は5.8%と見込み、2023年度成長率を6.42%と予測している。

(松永宗徳)

(インド)

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