韓国政府、米SVB破綻を受け非常マクロ経済金融会議を開催
(韓国、米国)
ソウル発
2023年03月17日
韓国企画財政部は3月14日、米国シリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行の破綻に伴う国際金融市場の動向および国内金融機関への影響などを確認するため、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政部長官主宰による「非常マクロ経済金融会議」を開催した。
会議では、韓国の株式市場に対する影響を確認した。米国などの対応措置や外国資金の流入などにより、KOSPIおよびKOSDAQ市場が小幅に反騰し、国債市場は安全資産を求める動きが強まったことや、世界的な金融引き締めの可能性が低下したことで、国債金利は大幅に下落した(注)。これら現状より、チュ経済副首相は、市場状況を注視しなければならないが、現時点での金融市場への影響は限定的だと述べた。
さらに、国内の主要金融機関は公的年金、KIC(韓国投資公社)、郵政事業本部など投資機関に対するエクスポージャーの規模も相対的に大きくないと判断され、現段階における直接的な影響は限定的と付け加えた。
ただし、世界経済がインフレを統制できていない状況の中、金融システムの不安要因が重なったため、今後、市場の変動性が拡大する可能性は排除できないため、政府と関係機関は当面の市場の不確実性に対応し、金融市場の安定維持に向け、総力を挙げると強調した。
「東亜日報」(3月14日)も、国内の金融市場においてSVBの破綻の影響は限定的とする一方、「KICは、昨年12月31日時点で、SVBの親会社のSVBファイナンシャルの株式を2万87株〔約60億2,000万ウォン(約6億2,000万円、1ウォン=約0.103円)相当)を保有し、国民年金も同時点で10万795株を保有している。KICはさらに、シグネチャーの株式を9万1,843株(約137億9,000万ウォン相当)保有している。米政府は債券と株式を保護の対象から外しているため、最悪の場合、これら資産は紙切れになる可能性がある」と指摘している。
(注)直近の株式市場および国債市場の動きは以下のとおり。
- KOSPI(ポイント):(3月9日)2,419.09→(3月10日)2,394.59 →(3月13日)2,410.6
- KOSDAQ(ポイント):(3月9日)809.22 →(3月10日)788.60 →(3月13日)788.89
- 国債金利(3年物、ベーシスポイント):(3月9日)3.858 →(3月10日)3.703 →(3月13日)3.435
(当間正明)
(韓国、米国)
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