6月までに最低賃金を26.6%引き上げで合意、一部労組は合意に不満表明

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2023年03月24日

アルゼンチンの政府、労働組合、経営者団体で構成される国家雇用・生産性・最低賃金評議会は3月21日、最低賃金を6月までに26.6%引き上げることで合意したと発表した。2023年3月時点の月額最低賃金は6万9,500ペソ(約4万4,480円、1ペソ=約0.64円)だったものを、4月に15.6%、5月に6.0%、6月に5.0%と段階的に引き上げる。4月の月額最低賃金は8万342ペソ、5月は8万4,512ペソ、6月は8万7,987ペソとなる計算だ。

同評議会は、2022年11月にも最低賃金を2023年3月まで段階的に20%引き上げることで合意していた(2022年11月29日記事参照)。次回の見直しは7月15日を予定している。

国内の物価上昇が加速する中(2023年3月20日記事参照)、一部の労働組合は今回の引き上げ率に不満を訴えている。労働総同盟(CGT)を率いるパブロ・モジャーノ書記長は、わずか1万8,000ペソの引き上げは「恥ずべき」だと評した。国家統計センサス局(INDEC)の3月16日の発表によると、1世帯(4人)が必要とする基礎的食料、住宅、保健、教育、衣類やその他の日常的支出は月額17万7,063ペソで、最低賃金は同額以上に設定されるべきだとCGTが訴えている(3月22日付現地メディア「A24」)。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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