政府の労働法改正案が明らかに、原則無期契約による雇用安定化を検討

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年03月06日

コロンビア政府が検討中の労働法改正案の内容が2月27日に明らかになった。法案第4条によると、労働契約について、安定した雇用を保障するため、原則無期契約とする。使用者は、法的に正当な理由を証明できる場合を除き、期間満了を理由に契約を打ち切ることはできず、労働者は契約打ち切りにあった場合、使用者へ補償を請求できる。解雇については、労働者が他に経済的な選択肢がない世帯主である場合、妊娠中または出産後6カ月以内の女性およびそのパートナー、老齢年金受給まで3年未満の場合などについて、(1)正当な理由があり、(2)懲戒手続きが尽くされ、(3)使用者が司法の許可を得た場合のみ、解雇できると明記されている。

第9条では、不当解雇に対する補償について、以下のとおり雇用期間に応じて異なる補償が設定された。

  • 1年以内:給与45日分
  • 1年~5年:1年ごとに給与60日分
  • 5年~10年:1年ごとに給与65日分

第11条では、有期契約について、期間は最長1年とすることが明記された。現行では、最長3年とされている。また、契約期間終了の30日前までに両者のいずれからも契約を更新しない旨が記載された書面の通知がない場合、無期契約へと変更される。

第17条では、役務提供契約の利用の制限について明記された。役務提供者が、永続的または従属的な業務を行う場合、役務提供契約は利用できず、雇用契約を締結する必要がある。

ジョレダ・カマチョ法律事務所によると、法案はまだ国会に提出されていないため、内容が変わる可能性はあるものの、労働者が契約打ち切りになった場合に使用者へ補償を請求できる点や、解雇の条件が限定される点などは、議論を呼ぶとみている。

7月15日から労働時間が週47時間へ短縮

コロンビアの法定労働時間が、2023年7月15日から現行の最大週48時間から47時間へ短縮される。政府は、2021年法律2101号で法定労働時間を週42時間にするとしており、施行から2年目以降、段階的に短縮すると定めていた。これにより、2023年7月15日以降は週47時間、2024年同日以降は週46時間、2025年は週44時間、2026年は週42時間となる。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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