中銀が0.25ポイント追加利上げ、10回連続の引き上げ

(オーストラリア)

シドニー発

2023年03月15日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は3月7日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.60%とすることを決定した。2022年5月から10回連続の利上げで、政策金利は2012年6月(3.50%)を上回った。前回の2023年2月(2023年2月15日記事参照)に続き、過去10年間での最高を更新した。

RBAのフィリップ・ロウ総裁は現在の状況について、「世界のインフレ水準は依然として高い。2023年に入り緩やかになっているが、サービス価格のインフレ率は多くの国で上昇を続けている。インフレ率が目標圏内(2~3%)に戻るにはもう少し時間がかかるだろう」と説明した。今後については、さらなる金融政策の引き締めが必要と予想していると言及した。

また、ロウ総裁は、月次の消費者物価指数(CPI)はオーストラリアのインフレがピークに達したことを示している、とした。オーストラリア国内では、物品価格の上昇は今後数カ月にわたり緩やかになることが期待されるとしている。しかし、サービス価格の上昇は、夏に入りサービスへの需要が高まったため、高水準にとどまっていると指摘した。また、家賃はここ数年で最も速いペースで上昇し、国内の多くの場所で空室率が低くなっていると説明した。

今回の利上げを受けて、ジム・チャルマーズ財務相は3月8日、公共放送ABCのインタビューで、政府としてインフレを抑制するための3つの主要な経済対策、(1)生活費高騰対策、(2)(インフレの一因である)傷ついたサプライチェーンの修復、(3)(政府の)財政支出削減を実施していることを強調した。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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