2月の貿易収支は174億3,000万ドルの赤字、4カ月連続で鈍化

(インド)

ムンバイ発

2023年03月31日

インド商工省(MoCI)が3月15日に発表した「貿易統計」(速報値)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2月の貿易収支(速報値、サービスを除く)は約174億3,000万ドルの赤字で、32カ月連続の貿易収支赤字となったものの、赤字幅は4カ月連続で鈍化した(添付資料図参照)。2月の輸出額は約338億8,000万ドルで、前年同月比8.8%減少し、2カ月ぶりにマイナスに転じた。輸入額は約513億1,000万ドルで、同8.2%減少、3カ月連続のマイナスだった。

輸出の内訳を見ると、金額の高い順に、エンジニアリング製品85億8,224万ドル(前年同月比9.68%減)、石油製品49億1,301万ドル(同28.8%減)、有機・無機化学品21億3,861万ドルなどが輸出を押し下げた。増加した項目としては、宝石・宝飾品類36億112万ドル(同13.8%増)、電機製品19億2,675万ドル(同29.9%増)などがある。

輸入額では、全体の約3割を占める石油製品・原油・関連製品が150億8,235万ドル(同4.3%減)、電気製品56億3,048万ドル(同11.1%減)、金26億3,183万ドル(同44.9%減)、真珠など25億3,144万ドル(同20.9%減)、有機・無機化学品23億279万ドル(同5.6%減)などの減少が目立った。増加したのは、機械・電気・非電気製品類38億4,896万ドル(前年同月比6.4%増)、石炭・コークス・練炭類31億1,471万ドル(同8.9%増)、輸送機器20億3,759万ドル(同49.0%増)、鉄鋼類18億6,928万ドル(同16.5%増)などだった。

ロシアの対ウクライナ軍事侵攻を受けた世界的な原油価格の高騰や高インフレ、金融引き締め政策(2023年2月22日記事参照)が継続している中で、世界経済の鈍化に伴う国内需要の減退を受け、インドの輸出は減少傾向にある。

(松永宗徳、寺島かほる)

(インド)

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