ジェトロ、カンボジアで日本酒試飲フェアを開催

(カンボジア)

プノンペン発

2023年03月13日

ジェトロは227日、カンボジアの首都プノンペン市内のホテルで日本酒試飲フェアを開催し、現地日本食レストラン、小売り関係者や政府関係者100人以上が試飲に訪れた。同イベントは、幅広い人脈を有するカンボジアの富裕層や、富裕層を客層にもつレストランなどをターゲットとし、日本酒の認知向上と輸出拡大を目的として実施された。

イベントでは、日本より千古乃岩酒造(ちごのいわ:岐阜県)、笹祝酒造(ささいわい:新潟県)、酔鯨酒造(すいげい:高知県)、富久千代酒造(ふくちよ:佐賀県)の4酒蔵が参加し、それぞれ厳選した5銘柄を紹介した。合計20銘柄の日本酒はそれぞれの土地で、特色のある原材料を用いて製造されており、銘柄ごとの個性となって味や香りが表現される。紹介された銘柄の中には、日本でも希少性が高く、まだカンボジアには流通されていない酒も含まれていた。

参加者の酒造会社からは「カンボジアは米食文化で、料理も発酵を大事にしているため、日本酒との相性が良い。カンボジア向けに輸出している酒造が少ないため、先入観のない新しい日本酒の文化を作れると期待している」とコメントがあった。

また、試飲会に参加した現地小売事業者は「普段飲めない日本酒を20種類も飲み比べることができ、よい機会だった。これを機にカンボジアでの日本酒の取り扱いを拡大したい」と話した。試飲会終了後には、その場で個人的に気に入った銘柄の購入を決めた参加者もいた。

開会あいさつでは、カンボジア商業省のクム・シートン長官、農林水産省のヒェン・バンホーン長官、植野篤志駐カンボジア日本大使からのコメントがあった。主催者であるジェトロ・プノンペン事務所の春田麻里沙所長は「日本酒は神事や冠婚葬祭など重要なセレモニーで活用されるのみならず、人々の日常的な交流や団らんの中心的な存在であり、友好の懸け橋にもなっている。日カンボジア友好70周年にあたる2023年に、日本の文化である日本酒をあらためて紹介し、これまでの友好を祝す機会としたい」と述べた。

今回の試飲フェアを皮切りに、310日までの間、プノンペンにある日本産食材サポーター店の日本食レストラン4店舗で、試飲会で紹介された銘柄をペアリングメニューとともに提供するイベントも開催する。

写真 イベント開会式の様子(YEAC提供)

イベント開会式の様子(YEAC提供)

写真 試飲会の様子(ジェトロ撮影)

試飲会の様子(ジェトロ撮影)

写真 参加者が試飲した20銘柄。参加者には気に入った銘柄にチェックをしてもらった(ジェトロ撮影)

参加者が試飲した20銘柄。参加者には気に入った銘柄にチェックをしてもらった(ジェトロ撮影)

(藤田ゆか)

(カンボジア)

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