下院選挙、与党・アマナトが過半数も、多党体制へ一歩前進

(カザフスタン)

タシケント発

2023年03月29日

カザフスタンで3月19日、下院(マジリス)議員の前倒し選挙が行われ、与党第1党「アマナト(未来への信託)」が勝利した。

同国中央選挙管理委員会が27日に発表した最終結果によると、比例代表の得票率は、アマナト53.9%(40議席)、人民民主党「アウル(村)」10.9%(8議席)、カザフスタン民主党「アクジョル(明るい道)」8.4%(6議席)、カザフスタン人民党6.8%(5議席)、全国社会民主党5.2%(4議席)だった(添付資料表参照)。

今回初参加の政党のうち、共和国党は得票率8.6%で6議席を獲得、緑の党「バイタク(大地)」は2.3%で議席獲得に必要な得票率5%に届かなかった。小選挙区では(注)、アマナト22議席、無所属7議席を獲得した。比例・小選挙区合わせると、下院98議席中62議席をアマナトが獲得した。

カシムジョマルト・トカエフ大統領は、ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領時代の権威主義的体制から、本来あるべき民主主義的大統領制への変革を進めている。今回の選挙では、野党5党が議席を獲得しており、トカエフ大統領が目指す多党制による議会に一歩近づいた結果となった。

一方、投票率は過去最低の54%だった(インフォームビューロー3月19日)。首都アスタナで43%、南部最大都市アルマトイでは26%(中央選挙管理委員会ウェブサイト3月19日)と低迷した。

(注)カザフスタンでは2022年の憲法改正により、比例代表制を改め、小選挙区比例代表並立制が採用された(2022年6月10日記事参照)。

(増島繁延)

(カザフスタン)

ビジネス短信 27f4170232d25a9f