ジェトロ、遼寧省瀋陽市で日本産酒類商談会を開催

(中国、日本)

大連発

2023年03月16日

ジェトロは37日、中国遼寧省瀋陽市で、日本酒などのPRや販路開拓を目的とした「瀋陽日本産酒類商談会」を開催した。日本側の出展申込企業数は酒蔵や商社を含む12社で、日本企業の中国代理店が出展した。瀋陽市のディストリビューター、飲食店、小売店、酒類関連協会など約120社の担当者が来場し、延べ約280件の商談が行われた。同市での日本産酒類に関する商談会の開催は、ジェトロとしては初めて。

商談会に先立ち、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)認証国際唎酒師の侯俊佚氏が「飲食店における日本酒の活用策」と題して講演を行った。セミナーの後には、多くの来場者から「日本産酒類の最大の輸出先が中国であることを初めて知り、今後の発展ポテンシャルを感じた」「日本酒は日本料理店向けと考えていたが、中華料理店での活用事例を聞いて参考になった」「これまでは日本酒を瓶売りにしていたが、他地域のカップ売りの成功事例を聞いたので、試してみたい」といった声が聞かれた。

商談会に出展した企業からは「これまであまり接点のなかった中華料理店や酒類専門店の関係者が多く、新規販路の開拓の可能性が見えた」との声が上がった一方で、「来場企業にはまだ日本酒の知識が乏しい人が多い。まずは関係を構築し、地道に営業活動を行う必要がある」と課題を再認識していた。来場して商談を行った酒類専門店の経営者から「日本産ウイスキーを取り扱っているが、最近は日本酒を求める消費者が増えつつあり、情報収集を兼ねて参加した」と、日本産酒類の取扱品目の拡大を検討することがうかがえるコメントもあった。

瀋陽市の常住人口は遼寧省内最多の約912万人(2021年)で、同省でも最大規模の消費市場だ。瀋陽市の都市部住民の1人当たり可処分所得は51,702元(2022年、約1034,040円、1元=約20円)で、北京市や上海市、広州市などの沿海部の大都会と比べると見劣りするが、武漢市や成都市など内陸地域の中核都市とほぼ同水準。周辺都市から瀋陽市を訪れる買い物客もおり、国内で既に流通している日本酒をはじめとする日本産酒類の販路開拓・拡大が期待される。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

写真 商談の様子(ジェトロ撮影)

商談の様子(ジェトロ撮影)

(王哲)

(中国、日本)

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