米内務省、コノコフィリップスのアラスカでの石油ガス開発を一部承認

(米国)

ヒューストン発

2023年03月15日

米国内務省は3月13日、米国石油大手コノコフィリップス(本社:テキサス州ヒューストン)がアラスカ州で提案しているウィロー石油ガス開発プロジェクトを一部承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同省は、5件の掘削申請のうち2件を却下したことで、コノコフィリップスは全開発区域の40%に相当する約6万8,000エーカー(約275平方キロ)の石油ガス開発権利を放棄するとしている。同プロジェクトに対しては、環境への影響を懸念する声も上がっていた。

ウィロー石油ガス開発プロジェクトは、日量最大で18万バレルの石油を生産し、連邦政府、アラスカ州、地元のコミュニティーに対して、80億~170億ドルの新たな歳入をもたらすと予測されている。同プロジェクトは、主に米国内で製造・調達される材料を使用して建設され、2,500人以上の建設雇用と約300人の長期雇用を創出する可能性があるという。

コノコフィリップスは今回の内務省の決定を歓迎するとともに、3件の掘削に向けて、コノコフィリップス・アラスカが主要請負業者と広範な準備を終え、直ちに砂利道建設を開始する予定としている。

コノコフィリップス会長兼最高経営責任者(CEO)のライアン・ランス氏は「今回の内務省の決定は、アラスカと米国にとって正しい決断だ」と評価した上で、「ウィロー石油ガス開発プロジェクトは、環境と社会正義、エネルギー転換の促進、エネルギー安全保障の強化というバイデン政権の優先課題に合致するもので、同時に労働組合による良質な雇用を創出し、アラスカ先住民のコミュニティーに利益を提供するものだ」と述べた。

同社は米国でエネルギーの安定供給に向けた取り組みを進めており、2022年7月に米国センプラ・インフラストラクチャーとの間で、ポートアーサーLNG(液化天然ガス)から30%の株式取得と年間約500万トンのLNG引き取り(オフテーク)に関する基本合意書(HOA)を締結したと発表した(2022年7月22日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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