米コノコフィリップスとセンプラ、LNGとCCSプロジェクトで基本合意書締結

(米国)

ヒューストン発

2022年07月22日

米国石油大手コノコフィリップス(本社:テキサス州ヒューストン)は714日、米国エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)との間で、センプラが開発を手掛けるポートアーサーLNG(液化天然ガス)から30%の株式取得と年間約500万トンのLNG引き取り(オフテーク)に関する基本合意書(HOA)を締結した。

ポートアーサーLNGはテキサス州南東部のメキシコ湾岸で計画されるLNG生産・輸出ターミナル開発プロジェクトで、2023年の操業開始を計画している。同プロジェクトには、2つの液化トレイン(注)とLNG貯蔵タンク、最大年間約1,350万トンのLNGを生産する関連設備が含まれ、将来的には4つの液化トレインで最大年間2,700万トンのLNG生産を計画している。

コノコフィリップスは同プロジェクトへの出資を通じて、LNG事業の拡大を目指す方針で、ポートアーサーLNG施設で将来計画する液化トレインのLNG引き取り権と出資権を取得するオプションを有するとしている。

両社はHOAに基づき、ポートアーサーLNG施設の二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトを含む低炭素プロジェクトの開発可能性を評価するほか、センプラは、ポートアーサーLNGプロジェクトに関連してコノコフィリップスがテキサス州やルイジアナ州で開発するCCSプロジェクトに参画する予定だ。

コノコフィリップス会長兼最高経営責任者(CEO)のライアン・ランス氏は「センプラはLNGプロジェクト開発で長年の実績がある。われわれはエネルギー転換を支援し、米国と世界のエネルギー安全保障を強化するために、信頼性の高いLNG供給ができることを楽しみにしている」「当社は、最近買収したコンチョ・リソーシズとシェルが保有するパーミアン盆地の設備(2020年10月21日記事参照)により、米国最大の天然ガス生産者の一角を占めるに至っており、LNG市場でのプレゼンスを拡大することに関心を持っている」と述べている。

なお、センプラは2022523日、ルイジアナ州キャメロンLNGプラント近接地でのCCS事業について、フランスのトタルエナジーズや三井物産、三菱商事と参加契約を締結したと発表した(2022年5月26日記事参照)。

(注)LNGの生産設備ユニット。

(沖本憲司)

(米国)

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