政府、チャットGPTなどの技術に対し倫理面の措置必要と発表

(中国)

北京発

2023年03月08日

中国科学技術部は2月24日の記者会見で、2022年の中国の研究開発費総額は2012年の1兆元(約20兆円、1元=約20円)から3兆900億元に増え、GDPに占める割合は1.91%から2.55%に上昇したと発表するとともに、人工知能(AI)やAIチャットボット「チャットGPT」についての見方を示した。

同部ハイテク司の陳家昌司長はAIの発展計画について、「科学技術部は今後、AIを戦略的新興産業や新たな成長エンジンとして引き続き力強く支援する」という方針を示した。具体的には、(1)AIのイノベーションシステム構築、基礎理論の研究と重大技術への取り組み、(2)AIの社会・経済への応用、(3)AIの安全で制御可能な管理システムの構築、(4)全ての側面からのオープンな協力の推進に取り組むとした。

また、「チャットGPT」について、同部の王志剛部長は、自然言語処理能力など技術面の強みを評価した上で、「科学的成果には両面性があり、倫理面の対応が必要」と指摘した。さらに、「中国はAIも含めた新しい技術に対し、倫理面で相応の措置を取ってきた。科学技術の発展に伴うデメリットを防ぐと同時に、メリットを存分に発揮させる」と説明した。

なお、中国工業情報化部科学技術司の任愛光副司長は2月25日、上海市で開催された「2023年世界AI開発者パイオニア大会」で、中国のAI中核産業の規模が5,000億元に達し、企業数が4,000社近くに上ると発表した(「上海証券報・中国証券網」2月25日)。

(趙薇)

(中国)

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