2022年の直接投資額は前年比34%増、過去最高を大幅に更新

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年02月09日

インドネシア投資省は1月24日、2022年の直接投資実績額(注1)を発表した。外資系企業による同年第4四半期(10~12月)の投資実績額は、前期比3.7%増の122億660万ドルだった。通年では前年比46.7%増の456億500万ドルだった。また、内国投資と外国投資を足し合わせた投資実現額は2022年通年で1,207兆2,000億ルピア(約10兆8,648億円、1ルピア=約0.009円)となり、政府目標(注2)の1,200兆ルピアを上回った。そのうち、外国投資額は654兆4,000億ルピアで、投資実現額全体の54.2%を占めた。

2023年の投資目標額は1,400兆ルピアと設定されているが、バフリル・ラハダリア投資相は、今後、世界経済の減速が投資動向に影響を与える可能性があるとしている(「コンタン」紙1月25日)。

2022年第4四半期の国・地域別投資実績額では、中国系が30億3,910万ドルで初めてシンガポールを上回って首位となった。シンガポール系が27億3,840万ドル、香港系が15億9,940万ドルと続いた(「コンタン」紙1月25日)。また、通年ではシンガポール系が132億8,110万ドルで、外国投資全体の約3割を占めた。次いで中国系、香港系、日系と続いた。日系企業による投資実現額は外国投資全体の7.8%を占める35億6,280万ドルとなり、前年の5位から上昇し4位となった(添付資料表1参照)。

2022年通年の外資系企業の業種別で最も投資が多かった分野は、基礎金属・金属製品・非機械および器具への投資で、109億6,060万ドル(外資系企業の投資総額の24.0%)だった。それ以外では、鉱業51億4,500万ドル(11.2%)、化学・医薬品45億550万ドル(同9.8%)だった(添付資料表2参照)。

2022年通年の地域別にみると、前年4位だった中部スラウェシでの投資額が74億8,600万ドルに達し、首位となった。以下、西ジャワ州が65億3,450万ドル、北マルク州が44億8,750万ドル、ジャカルタ特別州が37億4,410万ドル、バンテン州が34億1,070万ドルの順となった。バフリル投資相によると、政府は一貫してジャワに限らずインドネシア全域の発展を推進しており、今回の結果は実際に投資がインドネシア全域へと広がりをみせていることを示したものだとしている(「ブリタ・サトゥ」1月24日)。

(注1)BKPM(投資省)は投資実績額について「投資実現額」という呼称を用いている。

(注2)内資企業と外資企業の投資実績目標額を足し合わせたもの。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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