IMF、バングラデシュへの総額47億ドルの融資承認
(バングラデシュ)
ダッカ発
2023年02月08日
IMF理事会は1月30日、バングラデシュ政府に対する総額47億ドルの拡大クレジット・ファシリティー(Extended Credit Facility、ECF)と拡大信用供与(Extended Fund Facility、EFF)、強靭(きょうじん)性・持続可能性ファシリティー(Resilience and Sustainability Facility、RSF)による融資の承認を発表した。同融資は期間42カ月のECFとEFFによる33億ドルに加え、アジアでは初となる14億ドルのRSFからなる。政府は今回の承認により、まず4億7,600万ドルの融資金の即時払い込みを受けることができる。IMFは2022年11月、事務レベルによる政府との合意に達し(2022年11月28日記事参照)、1月に副専務理事のアントワネット・モンショー・セイエ氏がバングラデシュを訪問し、政府関係者との面談を行っていた。
IMFは発表で「バングラデシュは新型コロナウイルス禍からの強靭な経済回復を示していたが、ロシアのウクライナ侵攻により妨げられ、経常収支の悪化や外貨準備の減少などにつながった。今回の融資はこれらへの対応に加え、経済成長の加速や民間投資の誘致促進のため、長年にわたる構造的な課題への対処も期待される」と指摘。構造的な課題として、歳入増に必要な税制などの行政改革、金融部門の脆弱(ぜいじゃく)性の改善、監視機能・ガバナンスの強化、資本市場の発展などが挙げられている。現地報道によると、ムスタファ・カマル財務相は「融資決定はバングラデシュのマクロ経済の基盤の強さの裏付け」と評価した(「フィナンシャル・エキスプレス」紙1月31日)。挙げられた構造的な課題に対する今後の施策が注目される。
(山田和則)
(バングラデシュ)
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