大型投資の波及効果続く米ジョージア州、現代自動車のEVサプライヤーが進出発表

(米国、韓国)

アトランタ発

2023年02月07日

米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事は2月1日、韓国自動車部品メーカーのソヨンイファ(Seoyon E-HWA)が7,600万ドルを投じ、同州チャタム郡に新たに電気自動車(EV)向け部品工場を建設すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ソヨンイファは同州サバンナ近郊に55億4,000万ドルを投じてEV・バッテリー工場を建設中の現代自動車グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA、2022年5月23日記事参照)の新たなサプライヤーとなる。HMGMAのサプライヤーとしてエコプラスチックなど既に3社がジョージア州への進出を発表しており(2023年1月12日記事参照)、ソヨンイファ も3社同様、HMGMAの工場近郊に進出する。新工場は2024年10月に稼働予定で、ドアトリム、ヘッドライニング、テールゲートトリムなどの内装部品を生産する。

ソヨンイファは、ジョージア州南西のウェストポイントにある起亜の完成車工場のサプライヤーとして既に工場を有しており、今回発表した新工場は同社にとって州内2カ所目の工場となる。既存の工場では630人を雇用しており、新工場では新たに740人(注)を雇用する計画だ。

SKバッテリーは前倒しで雇用目標を達成、ITハブも新たに開設

韓国企業によるEV関連投資が相次ぐジョージア州では、その先駆けとなったSKバッテリーアメリカも事業拡大を続けている。

ケンプ知事は1月30日に、同社がEV向けリチウムイオンバッテリー工場で2,600人の従業員雇用を目標時期の2年前倒しで達成したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社は2018年のジョージア州進出発表以降、約26億ドルを投じて州北東に2つのバッテリー工場を建設、2022年初めから生産を開始し、フォードのEVピックアップトラック「F-150ライトニング」やフォルクスワーゲンの電動スポーツ用多目的車(SUV)「ID.4」などに納入している。拡大するEV需要に応えるべく、さらに3,000人まで従業員数を増加することを見込んでいる。

バッテリーの生産工場だけでなく、1,900万ドルを投じて新たにITセンターをアトランタ郊外に開設することも1月26日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。バッテリーの先端製造システムの開発や運用、データ分析を担うIT専門家200人を今後雇用し、米国でのさらなるバッテリー生産の拡大に備える意向だ。

SKのジョージア州での事業拡大について、パット・ウィルソン州経済開発長官は「経済開発で、われわれは企業の初期投資の波及効果について話をする。サプライヤーの進出、サポートセンターの開設などの事業拡大が企業の当初の投資範囲や場所、産業さえも超えて新たな機会を創出する」と語り、SKによるさらなる成功に期待を示した。

(注)間接雇用を含んだ雇用見込み数。

(石田励示)

(米国、韓国)

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