マルコス大統領訪日で130億ドル規模の投資約束を確保
(フィリピン、日本)
マニラ発
2023年02月27日
フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は2月8日から12日にかけて日本を訪問した(政府通信社2023年2月12日付)。フィリピン政府の発表によると、マルコス大統領は訪日時に産業界のリーダーや投資家とミーティングを実施し、フィリピンのビジネス・投資環境について説明し、130億ドル規模の投資約束を得たとした。これら投資によって、約2万4,000人の雇用が国内で創出される、とフィリピン政府は見込む。
マルコス大統領の訪日にあわせて、日本とフィリピンの企業・政府機関の間で投資に関連する35件の基本合意書や覚書が締結された。締結された分野は、製造や建設、運輸、エネルギー、環境、ヘルスケアなど多岐にわたる。これらの中には、丸紅とフィリピン環境天然資源省(DENR)、大手財閥グループDMCIの親会社であるデーコン、およびフィリピン大学森林天然資源学部との間の、森林再生を通じたカーボンクレジットプログラム(注)の開発プロジェクト推進に関する覚書締結や、JERAと大手財閥グループのアボイティス・エクイティー・ベンチャーズの子会社であるアボイティス・パワーとの間の、脱炭素化に向けた石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の共同検討に関する覚書締結がある。
マルコス大統領は、日本・フィリピン企業などによる基本合意書や覚書の締結式の後のスピーチで、日本企業に対して「政権はフィリピンのビジネス環境を改善するべく、画期的な経済改革を実行していく」と述べた。
(注)企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などを行うことで生まれた温室効果ガスの削減効果をクレジット(排出権)として発行し、他の企業などとの間で取引できるようにする仕組みを指す。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン、日本)
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