メキシコ外務省が「自動車産業の転換に向けた現状と提言」を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2023年02月06日

メキシコ外務省がまとめた「自動車産業の転換に向けた現状と提言(外部リンク)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます126日から、メキシコ連邦政府のウェブサイトで公開されている。

これは、産業界全体で環境に優しい自動車を生産していくためにメキシコが取り組むべきステップを示したロードマップで、米国とメキシコの間で結成された「交通手段の電動化のためのハイレベルワーキンググループ 」が主導し、作成に取り組んできた。160人以上の産・官・学の関係者とともに作成されたこのロードマップを携え、パリ協定で表明した温室効果ガス排出削減目標や国連が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の達成に向け前進する。

21日に行われたこのロードマップの発表イベントで、メキシコ外務省のマルセロ・エブラル外相は「メキシコ独自のエネルギー転換プロジェクトを持つことで、電気自動車のための充実したインフラを構築できるだろう」と発言し、このロードマップが自動車産業やメキシコ経済にもたらす恩恵や、メキシコが国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で約束した、2030年までの温室効果ガス削減目標の達成における重要性についても繰り返し語った。

同イベントには、プエブラ州、ユカタン州などの経済開発局や各大学関係者のほか、ステランティス、トヨタ、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)、日産などの完成車メーカー(OEM)も参加した。トヨタのメキシコ法人は、LinkedInの公式アカウントで同イベントへの出席を報告し、二酸化炭素(CO2)排出削減に向け、政府や企業、社会とともにメキシコの電動化にコミットしていくことを表明している。

メキシコ国内で電気自動車が普及するには数年かかるという見解も

メキシコ自動車ディーラー協会(AMDA)のギジェルモ・ロサレス会長は、メキシコも電気自動車(EV)普及への転換点にいるとしつつ、EVの価格がガソリン車の価格と近いものにならなければメキシコのような低所得国での大衆化は難しく、国内市場での普及にはあと数年かかるのでは、という見解を示している(「エル・フィナンシエロ」紙22日)。

(渡邊千尋)

(メキシコ)

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