ベルリン「国際緑の週間2023」開催、持続可能性がテーマ

(ドイツ)

ベルリン発

2023年02月06日

食品・農業・園芸の国際的見本市「ベルリン国際緑の週間2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が12029日にドイツ・ベルリンで開催された。新型コロナ禍を経て3年ぶりのリアル開催(注1)となった。この見本市は「農業のダボス会議」とも称され、数多くの農業関連国際会議、シンポジウムなどが同時に開催される。21日にはベルリン農業相会合(注2)が開催され、日本からは野村哲郎農林水産相が出席。同会合には64カ国・機関が参加した。

見本市への来場者数は30万人以上に上った。また、世界60カ国・地域から1,400以上の出展者があった。

今回は日本からの出展はなく、またアジア各国からの出展も非常に少なかった。一方で、今回のパートナー国クロアチアを含む欧州からと、ドイツ16州のそれぞれのブースは、地域の特産品などを大掛かりにアピールし、人気を集めていた。

写真 会場に向かう参加者の様子(ジェトロ撮影)

会場に向かう参加者の様子(ジェトロ撮影)

2023年の全体の統一テーマは「持続可能性」だった。会場では、特にスーパーマーケット大手のレーベ(REWE)とドイツ鉄道が共同で運営する「走るスーパーマーケット」に多くの来場者の関心が集まった。これは、試験的に2021年に運行された「スーパーマーケット列車」の後継プロジェクトだ。プロジェクトは、20233月以降、ヘッセン州のスーパーマーケットのない農村部に「ショッピング・バス」が赴き、移動販売を行うというものだ。バスには、ヘッセン州で栽培されたという原産地マークと品質表示が付いた新鮮な野菜や果物をはじめ、フェアトレード商品など700種類の商品を搭載する。

写真 レーベとドイツ鉄道の「ショッピング・バス」(ドイツ鉄道提供)

レーベとドイツ鉄道の「ショッピング・バス」(ドイツ鉄道提供)

レーベの広報担当のカトリン・アルシュタット氏によると、「自家用車で長距離を移動せずとも、農村部で地元の農産物を購入することができ、さらに生産者、加工業者を原産地マークなどで支援することによって、地元の中小企業はじめ地域全体の経済を活性化できるというもので、持続可能なモデルケースになる試み」という。

次回の開催は202411928日の予定。

(注1)リアルでの開催は2020年が最後だった。2021年はデジタル開催、2022年は中止。

(注2)食料や農業に関する喫緊の課題を議論するため、ドイツ食料・農業省が例年1月末に主催する、世界最大級の農業相会合。

(佐藤由美子)

(ドイツ)

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