旧ナイラ紙幣の使用期限を延長

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年02月20日

ナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領は2月16日、国民に向けた全国放送で、現金不足問題(2023年2月16日記事参照)に対処すべく、旧ナイラ紙幣(200、500、1,000ナイラ紙幣、1ナイラ=約0.3円)の使用期限を4月10日まで延長すると発表した。また、中央銀行(CBN)に対して回収済みの旧紙幣を市中に供給することを承認した。

ブハリ大統領は2022年10月時点で、現金の銀行外での流通額が3兆2,000億ナイラなのに対し、銀行内には5,000億ナイラしか残っておらず、行き過ぎた現金の流通が金融政策の効果を薄めていたとして、今回の新札発行の意図を説明した。その上で、現在で2兆1,000億ナイラを回収した点に触れ、通貨供給量の削減が物価上昇への圧力を軽減させるとして、新紙幣政策に理解を求めた。

ラゴスをはじめとする都市部の各地で、不満を募らせた市民による大規模なデモが発生しているほか、一部のATMには現金を引き出すために長蛇の列ができている。

写真 現金を求めてATMに並ぶ人々(ジェトロ撮影)

現金を求めてATMに並ぶ人々(ジェトロ撮影)

(谷波拓真)

(ナイジェリア)

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