ロシアのラブロフ外相がサヘル地域のマリ訪問、アフリカ重視をアピール

(マリ、ロシア、アフリカ)

アビジャン発

2023年02月16日

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は2月7日にアフリカのマリを訪問し、その後、モーリタニア、スーダンを歴訪した。1月下旬の南アフリカ共和国、エスワティニ、アンゴラ、エリトリアへの訪問に続いてのアフリカ歴訪となった(2023年1月25日記事参照)。

マリでの外相会談では、武器の供与や、数百人の要員派遣といったかたちで、軍事的支援の継続を約束した。ラブロフ外相は、マリのアブドゥライ・ディオプ外相との会談後の共同会見で、ロシア外相によるサヘル諸国への「歴史的」初訪問と評価し、「ギニア、ブルキナファソ、チャドなどサヘル地域、さらにはギニア湾諸国が直面するテロとの闘いを克服するために、ロシアは支援を惜しまない」と述べた。

また、アフリカへのロシアの関与を強化するとし、「ロシアはアフリカの問題解決を支援する。われわれは常に、アフリカの問題は、アフリカの解決策で解決されなければならないことを前提としている」と主張した。

これに先立ち、マリのダウダ・モハメディン治安・市民保護相は2022年11月、ロシア側の招きでモスクワを訪問し、治安、情報、危機管理、災害管理、麻薬撲滅、職員研修などを網羅した新たな協力協定に署名した。

マリでは、クーデターで実権を掌握した軍事暫定政権との関係悪化により、9年にわたり対テロ作戦を展開してきたフランス軍が撤退。報道によると、その空白を埋めるかたちでマリ軍が実施するイスラム過激派の掃討作戦に、ロシアの民間軍事会社ワグネルの関与が指摘され、ロシアの影響拡大がみられるという。

(渡辺久美子)

(マリ、ロシア、アフリカ)

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