ロシアのラブロフ外相が南ア訪問、今後は合同軍事演習を予定

(南アフリカ共和国、ロシア)

ヨハネスブルク発

2023年01月25日

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が1月23日、南アフリカ共和国を訪問し、ナレディ・パンドール国際関係・協力相と会談を行った。パンドール大臣は2022年にロシアとの国交樹立30周年を迎えたことに触れ、これまで貿易などさまざまな分野で2国間協定などを締結し、政治的にもハイレベル会合を通じて協力関係を築いてきたと述べた。ウクライナ情勢についても言及し、南ア政府は外交による紛争の平和的解決に向けて努力を続けていくとした。

また、南アは2月17日からの10日間でロシア軍および中国軍との合同軍事演習を行う、と南ア国防軍(SANDF)が1月19日に発表しているが、パンドール大臣は「すべての国は、世界中の友好国と軍事演習を行っている。今回も自然な流れだ」とした。なお、SANDFによると、今回の合同軍事演習は2019年11月にケープタウンで行われて以来2回目。そのほかにも、SANDFは世界各国との軍事演習を実施・計画しており、2022年11月にフランス軍と2年に1度の海上演習が行われたほか、今後、米軍との共同演習も予定している。

アパルトヘイト時代に旧ソ連が当時の反政府組織アフリカ民族会議(ANC、現与党)を支援していたこともあり、南アとロシアの関係は深い。ロシアによるウクライナ侵攻(2022年2月)後も、国連決議を棄権するなど、南ア政府は中立的な姿勢を維持している(2022年10月17日記事参照)。なお、ラブロフ外相は今後、アンゴラなどの近隣諸国を歴訪する予定だ。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、ロシア)

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