タイ、米国・EUへの迂回輸出防止のための監視対象品目リスト更新

(タイ、米国、EU)

バンコク発

2023年02月08日

タイ商務省外国貿易局(DFT)は1月30日、米国・EUへの輸出にかかる監視対象品目リストを更新し、外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2月1日から適用した。同リストに掲載している米国・EU向け物品については、迂回(うかい)輸出防止を目的として、非特恵原産地証明書(C/O)の発行時の検査を厳格化する。

2022年5月時点でのリスト(2022年5月23日記事参照)と比べると、新たに6品目を追加しており、これにより監視対象品目は合計48品目となった。

米国向け輸出での監視対象品目では、木製複合フローリング(HS4412.31、4418.71、9801.00ほか)、キャンバス(HS5901.90、5903.90、5907.00)、鉄・合金線材(HS7213.91、7213.99、7227.20、7227.90)、冷間引抜き/圧延した鉄鋼形材(HS7304.31、7304.51)、鉄・亜鉛のくぎ(HS7317.00、7907.00)、卑金属製金具(HS8305.20)の6品目を追加し、マットレス(HS9401.40、9404.21、9404.29ほか)を1品目に統合した。

EU向け輸出の監視対象品目では、線材(HS7213.10、7213.20、7227.10、7227.20ほか)、アルミニウムの棒・形材および管(HS7604.10、7608.10、7610.90ほか)を追加した一方、電気モーター・ジェネレーター(HS8501)を除外した。

また、関税品目分類の基準がHS2017版からHS2022版にアップデートされていることに加えて、同じ品目でも対象となるHS番号が変わっていたり、新たに対象となるHS番号が追加されていたりするケースもあるため、留意が必要だ。例えば、蜂蜜は従来のHS0409.00(天然はちみつ)に加えて、HS1702.90(人造はちみつ)、HS 2106.90(調製食料品)も、天然はちみつを主な原材料とする場合は監視対象となった。

ウォッチリストに掲載されている物品の非特恵C/Oの取得を希望する輸出者は、原産地証明手続きとC/O発給の申請前に、ウォッチリストに掲載されている輸出品の関税番号と、輸出相手国側で輸入時に適用される関税番号をその都度確認することが推奨される。

監視対象となる米国・EU向けの輸出品目の非特恵C/Oの取得について、実務的なガイドラインや必要書類、関係連絡先はウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認が可能だ。なお、2月1日からの必要書類は、(1)インボイス、(2)船荷証券(B/L)、航空貨物運送状(AWB)など、(3)原産性判定結果(4)輸出者と製造者が異なる場合は、製造業者の原産性判定結果の共有使用に関する同意書となり、物品原産性を証明するための工場ライセンス(ロー・ゴー4、Ror.Ngor.4)、生産に使用された原材料リスト(物品の原産性を証明するもの)の提出は不要となる。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国、EU)

ビジネス短信 9b5f41fe18d9149f