2023年のグリーン電力タリフ(GET)、2月16日に受け付け開始
(マレーシア)
クアラルンプール発
2023年02月13日
マレーシアの国営電力会社テナガ・ナショナル(以下、TNB)は、2月16日にグリーン電力タリフ(GET)の購入受け付けを開始する(2月3日付同社リリース)。GETは、再生可能エネルギー由来の電力利用を奨励する目的で、2021年12月に初めて導入が発表された(2021年12月1日記事参照)。2022年分の申し込みは同年3月25日に締め切り、住宅用・商業用・産業用の利用は計1,994件に上っていた。
TNBの発表に先立ち、政府は2023年1月12日、GET制度の継続を発表していた。加入者は前回と同様、1キロワット時当たり3.7セン(約1.1円、1セン=0.01リンギ、1リンギ=約30円)の追加料金を支払うことで、再生可能エネルギー由来の電力を購入できる。2023年分では、GET制度を通じて供給される電力供給量が、前回の年間4,500ギガワット時(GWh)から年間6,600GWhに拡充される。加入者には、持続可能性への取り組みを証明する再生可能エネルギー証書が発行される。
加入者が購入できるGET電力量は、平均の月間消費量の30%まで。契約期間は最低 12カ月で、期間満了前に解約しない限り毎年自動的に更新される。クオータの空き状況に応じて、契約期間中に購入額を増やすことも可能。また、GET制度で供給される電力に対しては、2023年1~6月の間、燃料価格変動に合わせて電気会社が料金を調整する「コスト消費者転嫁(ICPT)メカニズム」の対象から除外される(注)。TNBによれば、2023年1月の ICPT 免除分は、2月の請求書に反映される。電気料金の計算方法など、詳細はGETウェブサイト参照。
GETへの加入申請は2月16日の正午以降、myTNB ポータルからオンラインで行う。クオータの上限に到達次第、受け付けを終了する。問い合わせは、TNB窓口(1-300-88-5454、またはtnbcareline@tnb.com.my)で受け付けている。
(注)マレーシアでは2023年1月から6月にかけて、中・高電圧の電気料金に付加されるICPTが、1キロワット時当たり3.7センから20センへと大幅に引き上げられた(2022年12月16日付天然資源・環境・気候変動省プレスリリース、TNBウェブサイト)。使用電圧によっては約4割のコストアップに直面するケースもあることから、製造業連盟(FMM)はじめ多くの業界団体が抗議を表明していた。
(吾郷伊都子)
(マレーシア)
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