「インド・エネルギー・ウイーク」ベンガルールで開催、エネルギー転換目指す
(インド)
ベンガルール発
2023年02月24日
インド南部・ベンガルールのバンガロール国際展示場(BIEC)で2月6~8日、「インド・エネルギー・ウイーク(India Energy Week)」が開催された。このイベントは、ナレンドラ・モディ首相が2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2070年までにインドの排出量をネットゼロとすると公約したことを受けて開催されたもので(2021年11月5日記事参照)、第1回エネルギー・ワーキング・グループ・ミーティング(1st Energy Working Group Meeting)などのG20関連会合に合わせて行われた。
モディ首相は、世界最速の経済成長を遂げているインドのエネルギー安全保障が世界経済の成長にとって重要との認識の下、エネルギー戦略に関して、国内生産の拡大、供給の多様化、バイオ燃料やエタノール・圧縮バイオガス・太陽光などの燃料の拡大、電気自動車(EV)や水素による脱炭素の4つの軸を示すとともに、エネルギー分野への投資を呼びかけた。
今回はインド中央政府の石油天然ガス省(MoPNG)やインド石油産業連盟(Federation of Indian Petroleum Industry、FIPI)の協力で開催され、全ての公共部門事業体(Public Sector Undertakings、PSUs)が参加した。会期中には、各国政府高官やOPEC事務総長らの会合が開かれるとともに、エネルギー関連企業が出展する展示会も開催された。主催者によると、政策立案者やエネルギー産業界から3万人以上が来場したという。
2月1日にインド政府が発表した2023年度国家予算案(2023年2月14日記事参照)でも、グリーン成長は主要な項目の1つとなっている。エネルギー転換とネットゼロ目標に向けた設備投資への3,500億ルピー(約5,600億円、1ルピー=約1.6円)の拠出や、グリーン水素ミッションへの1,970億ルピーの投資が盛り込まれるなど、エネルギー分野には追い風が吹いている。
(松田かなえ)
(インド)
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