医療へのAI活用に6割が違和感、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2023年02月27日

米国では、健康や医療での人工知能(AI)活用に対して大きな違和感があることが、米国シンクタンク調査からわかった。

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは2月22日、健康や医療でのAI活用についての見解に関する調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、医療提供者が病気の診断や治療法の推奨などをAIに頼った場合、「不快(uncomfortable」」に感じると60%が回答し、大部分はAI利用に違和感を覚えるとしている。「不快でない(comfortable)」という回答は39%だった。性別では、女性で「不快」に感じる割合が66%と男性(54%)を上回った。人種別では、「不快」に感じる割合は白人(62%)、黒人(61%)、ヒスパニック(57%)の順で高かった。年代別では、50歳以上で「不快」に感じる割合は64%と高く、30~49歳で57%、18~29歳で56%だった。

また、病気の診断や治療の推奨にAIが使われることで、患者の健康状態の「改善につながる」と回答した人は38%、「悪化する」33%、「あまり変わらない」27%と、意見が分かれた。

単独で外科手術を完了できるAI駆動型ロボットが開発されており、外科手術の精度と一貫性を高めることが期待されている。自身の手術にAI駆動型ロボットを「望む」としたのは40%、「望まない」は59%だった。AI駆動型ロボットについて聞いたことがある人のうち、56%がロボットの導入は「大きな進歩」と回答している。

メンタルヘルスをサポートするために作られたAIチャトボットの利用については、「希望しない」が79%だった。AIチャットボットは「セラピストにもかかっている人だけが使うべき」と46%が回答し、「全く利用できないようにすべき」が28%だった。「セラピストと面会しているかどうかにかかわらず、こうしたチャットボットを利用できるようにすべき」との回答はわずかに23%で、警戒心が高いことがわかった。

AIチャットボットについて聞いたことがある人のうち、メンタルヘルスサポートの「大きな進歩」と考える人は19%、「マイナーな進歩」36%、「全く進歩ではない」25%だった。

(注)実施時期は2022年月12月12~18日、対象者は全米の成人1万1,004人。

(松岡智恵子)

(米国)

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