米NY州、2024年度予算案を発表、歳出は約2,270億ドル、前年度比2.4%増

(米国)

ニューヨーク発

2023年02月07日

米国ニューヨーク(NY)州は2月1日、2024会計年度予算案(2023年4月~2024年3月、注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

歳出総額は前年度比2.4%増の2,270億ドル、前年度の伸び(5.8%増)からは鈍化した。主な項目として、今後10年間で公営住宅80万戸の建設を目指すなど、公共資本事業費は前年度比14.8%増の128億ドルを計上した。また、再エネ電源推進など気候変動対策として55億ドルを計上している。そのほか、NY州で受け入れている難民申請者への支援費用として約10億ドル、NY市で悪化している治安を念頭に、銃による暴力を防止・軽減するための対策費用として3億3,700万ドルをそれぞれ計上した。

歳入は前年度比0.2%減の2,247億ドルで、歳出との差し引きにより23億ドルの赤字を見込んでいる。2023年は緩やかな景気後退が見込まれ、娯楽産業などへの税減免などの支援措置は継続するものの、たばこ税の引き上げを予定しており、税収が1,091億ドル(前年比1.0%増)、そのほかの収入も271億ドル(前年度比0.3%増)と前年度並みを見込んでいる。一方で、連邦政府からの資金提供は885億ドル(1.2%減)と減少を見込んでいる(添付資料表参照)。

当該予算案は州議会での承認・可決が必要になるため、今後議会での説明・交渉が行われ、4月から始まる新会計年度までの成立を目指す。いち早く次年度予算を発表しているNY市の予算は前年度比3.5%減の1,027億ドルとなっているが(2023年1月16日記事参照)、NY州の予算はそれとは対照的に前年度比プラスとなった。NY市を中心とした貧困や治安、移民対応などの社会政策、気候変動などの推進など政策課題が山積しており、速やかな予算成立と執行が求められ、議会との今後の交渉など、ホークル知事の手腕に注目が集まる。

(注)NY州の予算の会計年度は連邦政府と異なり、4月から翌年3月の期間を対象としている。また、締めの年月が属する暦年で年度を呼ぶ。

(宮野慶太)

(米国)

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