2022年の乗用車販売は23%増で過去最高、12月も7.2%増と成長続く

(インド)

ベンガルール発

2023年01月18日

インド自動車工業会(SIAM)は1月13日、自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は、2022年12月単月では前年同月比7.2%増の23万5,309台となり、11月からは増加率が伸び悩んだものの、プラス成長を続けた。2022年通年(1~12月)では前年比23.0%増の379万2,356台と、過去最高だった2018年の販売台数を約40万台以上も上回り、記録を更新した(添付資料表1参照)。

二輪車は、12月単月で前年同月比2.9%増の104万5,052台、通年では前年比7.4%増の1,560万7,991台と、他のカテゴリーと比較して増加率は低かった。また、三輪車は、12月単月で37.3%増の3万8,693台、通年では58%増の41万8,341台となり、台数は少ないものの高い増加率を示した。商用車は、12月単月のデータは発表されていないが、通年で37.8%増の93万3,116台と、前年より増加率を伸ばした。

SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は、祝祭期の影響もあり、売り上げは好調な一方で、食品価格の高騰をはじめとした物価高の影響もあり農村部需要の低迷が続いているとコメントした。

12月単月のメーカー別乗用車販売(添付資料表2参照)では、首位のマルチ・スズキは11万2,010台で、前年同月比8.9%減と6カ月ぶりのマイナスになった。一方、韓国の現代は20.2%増の3万8,831台、起亜は94.7%増の1万5,184台、地場のマヒンドラ&マヒンドラも60.5%増の2万8,445台といずれも前年同月から大きく販売台数を伸ばしている。ほかの日系メーカーでは、トヨタ・キルロスカが3.8%減の1万416台、ホンダが11.4%減の7,062台、日産が32.9%減の2,020台と失速傾向にあった。なお、地場のタタ・モーターズはSIAMの12月単月の統計には含まれていないが、同社発表によると4万43台(13.4%増)を売り上げたもようだ。

12月単月の車種別では、一般乗用車では、スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など計5万7,502台)、同ミニモデル(「アルト」など計9,765台)、現代のコンパクトモデル(「i20」など計1万7,193台)などが売れ筋だった。UVでは、マヒンドラ&マヒンドラ(「ボレロ」など計1万5,536台)、スズキ(「ブレッツァ」など1万1,200 台)、現代(「べニュー」など計8,285 台)といったコンパクトUVや、スズキ(「グランドビターラ」など1万8,444台)や現代(「クレタ」など計1万205台)、マヒンドラ&マヒンドラ(「スコーピオ」など計1万2,797台)などのSUV(スポーツ用多目的車)が売れ筋という傾向が続いた。

12月単月の二輪車販売は104万5,052台で、前年同月比2.9%の増加となったが(添付資料「表1 2022年12月の部品別自動車の国内販売台数」「表3 2022年12月の主要メーカー別二輪車国内販売台数」参照)が、主要部門のオートバイは、12月単月では72万3,593台と前年同月比0.4%減だが、通年では1,012万7,790台と5.3%増だった。スクーターは、12月単月で15.4%増の29万5,498台、通年で14.6%増の503万8,235台と販売台数を伸ばした。モペッドは、12月単月で22.3%減の2万5,961台、通年でも14.8%減の44万1,966台と販売は失速している。

(松田かなえ)

(インド)

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