2022年の港湾貨物取扱量、前年比0.7%増、原油・肥料が牽引

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2023年02月07日

ロシア商業海港協会の発表(120日)によると、2022年のロシア海港での貨物取扱量は前年比0.7%増の84,150万トンだった(添付資料表参照)。原油や鉱物質肥料の取り扱い増が牽引した。極東では貨物取扱量増加を受け、新しい港の建設が行われているという。

品目別でみると、原油(7.5%増)、鉱物質肥料(25.1%増)が全体の増加を寄与した。コンテナ貨物は26.0%減だった。コンテナターミナル運営大手のグローバル・ポーツによると、2022年のロシアのコンテナ貨物取扱量は24.3%減の5405,000TEU20フィートコンテナ換算)だった。同社は減少の要因として、大手コンテナ海運会社が特に北西海域に所在するロシア海港への寄港を大きく削減したことを挙げた。

海港所在海域別では、北西海域を含むバルト海域が2.9%減。同海域の主要港の1つで、コンテナ貨物や自動車など一般貨物を主に取り扱うサンクトペテルブルク大港が38.8%減だった。4.4%増となった北極海域では原油と液化ガスの取り扱いが堅調だった。極東海域での貨物取扱量は1.5%増で、コンテナ貨物の取り扱いが伸びた。グローバル・ポーツ傘下でナホトカにあるボストチヌィ港コンテナターミナル(VSC)では20.1%増の624,000TEUだった。

独立系シンクタンクの自然独占問題研究所と物流メディア「ポートニュース」が共同で取りまとめた四半期別実績によると、2022年第4四半期(1012月)は3期ぶりに前年同期比プラス(4.1%)を記録し、通年での増加に寄与した。特に穀物(59.8%増)、化学品・鉱物質肥料(35.7%増)、石炭(15.7%増)が伸びた。

極東での貨物取り扱い増加を受け、新しい港の建設が進んでいる。沿海地方のオレグ・コジェミャコ知事は130日、ユーリー・トルトネフ副首相兼大統領全権代表への報告の中で、6つの港が建設中と明らかにした。貨物取扱量にして1億トンに上る。うちスホドル石炭港は2023年中に稼働する見込みという(「ボストーク・メディア」131日)。

(浅元薫哉)

(ロシア)

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