英中銀が10会合連続の利上げ、年4.0%に

(英国)

ロンドン発

2023年02月03日

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は2月2日、政策金利を0.5ポイント引き上げて、年4.0%とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定した。2021年12月以降10会合連続の利上げとなった。MPCでは9人中7人の委員が、労働市場が引き続きタイトで国内の物価および賃金圧力が想定よりも大きいことから、0.5ポイントの引き上げを支持した。ほかの2人については実質賃金の低下と財政状況の引き締めにより実体経済が低迷していることを踏まえ、3.5%の維持を支持していた。

量的緩和策で買い入れた英国債の残高については、8,380億ポンド(約131兆5,660億円、1ポンド=約157円)まで減少している。

同行は今後の見通しも併せて示しており、インフレ率については2022年12月の10.5%から急激に低下し、2023年末にかけて4%程度まで下がるとしている。また、政策金利については、2023年半ばに4.5%程度まで上昇するものの、今後3年間で3.25%に落ち着くとした。GDP成長率については、世界的なエネルギーと貿易財の価格上昇による実質家計所得の減少に伴い、2023年第1四半期にマイナス0.1%となると予測している。

なお、IMFが1月31日に発表した世界経済見通しでは、英国の2023年の成長率予測はマイナス0.6%となっており、G7諸国の中で唯一のマイナス成長となっている。IMFは、財政・金融政策の引き締めや厳しい金融環境、依然として高いエネルギー小売価格による家計の圧迫を反映したとしている。

(山田恭之)

(英国)

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