マナウス市で日本産和牛と精米の料理試食会、参加者は高所得者層の観光客向けに展開を提案

(ブラジル、日本)

サンパウロ発

2023年02月10日

ジェトロは126日、ブラジル北西部アマゾナス州の州都マナウス市で、在マナウス日本総領事館と連携し、現地の有力バイヤー向けに、日本産和牛と精米を使った料理の試食会を行い、両産品の受容性を探った。

マナウス市の人口は220万人を超える。同市への日本人移住の歴史は90年以上と古く、在住日系人は推定3万人。市内にはフリーゾーンがあり、日本企業も多く進出していることから、少数だが歴史のある日本食レストランもある。一方、日本食が既に浸透しているサンパウロ市から約2,700キロ離れており、物理的に遠いため、食品輸送に係る物流コストの問題が背景にあるとみられ、マナウスでの日本食の認知度は低く、同知識の普及も十分ではない。現地での日本産和牛の取り扱いはなく、また日本産の精米を食べた経験がある人も少ないため、レストランおよび小売関係者だけでなく消費者の各商材に対する認知度は低い。そこで、ジェトロは、両商材を使った料理試食会を開催して受容性を探ることで、より多くの事業者や消費者の関心を喚起し、市場拡大を図り、日本からの輸出量増加につなげていくことを狙っている。

試食会は、在マナウスの総領事公邸で、レストラン協会アマゾナス州支部会長、マナウス小売事業主会議所会長、日本食レストランオーナー、現地紙ジャーナリストなどを招いて行った。ジェトロ職員から、日本産和牛と外国産和牛の違いを説明し、日本産が高価な背景などについて情報提供を行った。

料理の説明では、公邸料理人による趣向を凝らしたメニューが提供され、和牛のしゃぶしゃぶを提供するなどして、食材への関心を高めた。参加者から人気を得たのが、和牛の握り寿司だ。その他には、和牛カツサンド、温泉牛サラダ、和牛沢煮椀、竹の子ご飯などが提供された。参加者からは、2つの食材からあらゆるメニューが披露されたこと、さらに全て食材が生かされていたことに対し、感嘆の声があがった。

味に関する評価も高く、参加者からは「マナウスが今後、高所得者の観光客をひきつけるとすれば、希少な和牛をそろえることも必要になるだろう。購入を検討したい。どこで購入できるのか」と前向きなコメントが得られた。一方で、「マナウスは遠く、物流の関係でコストと利益のバランスを考える必要がある」「食材を生かすためには食材への知識啓発により、食材の扱い方から提供の仕方を知る必要がある。これを踏まえてマナウスで販路を確保および拡大していくためのプランニングが重要」」とのコメントを得た。

写真 あいさつを行った荻野正裕 在マナウス日本国総領事(右)(ジェトロ撮影)

あいさつを行った荻野正裕 在マナウス日本総領事(右)(ジェトロ撮影)

写真 あいさつを行った原宏ジェトロ・サンパウロ事務所長(左)(ジェトロ撮影)

あいさつを行った原宏ジェトロ・サンパウロ事務所長(左)(ジェトロ撮影)

写真 ジェトロ・サンパウロ事務所のエリーナ・川口所員による日本産和牛の魅力説明(ジェトロ撮影)

ジェトロ・サンパウロ事務所のエリーナ・川口所員による日本産和牛の魅力説明(ジェトロ撮影)

(斎藤裕之)

(ブラジル、日本)

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