香港、12月の小売売上高は1.1%増、2022年通年ではマイナス

(香港)

香港発

2023年02月13日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は2月3日、2022年12月の小売売上高(速報値)を前年同月比1.1%増の336億5,700万香港ドル(約5,700億円、1香港ドル=約16.9円)と発表した(添付資料図参照)。2カ月ぶりに前年同月比でプラスとなった。

12月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比で12.9%増の40億5,000万香港ドルで、全体の12.0%を占めた。

業態および品目別にみると、「その他」を除いて増加幅が最大となったのは「食品、酒類、たばこ」で、前年同月比4.9%増の33億2,600万香港ドルだった。2022年10月以降、3カ月連続で前年同月比プラスの伸びを続けた。また、「耐久消費財」は2.3%増の70億6,900万香港ドルと、2022年8月以降、5カ月連続でプラスの伸びを維持した。一方で、減少幅が最大となった「百貨店」は5.7%減の31億2,700万香港ドルと、同年5月以降8カ月連続で前年同月割れが続いている(添付資料表参照)。

香港政府報道官は、12月の小売売上高について、「経済状況の改善や(新型コロナウイルス感染対策における)社会的距離確保措置のさらなる緩和が寄与した」と指摘した。

2022通年の売上高は前年比0.9%減

2022年通年の小売売上高(速報値)は前年比0.9%減の3,499億3,000万香港ドルとなった。このうち、オンライン販売額は9.9%を占め、20.8%増の345億6,700万香港ドルだった。

業態および品目別にみると、「燃料」(前年比1.7%増の115億9,400万香港ドル)および「スーパーマーケット」(1.3%増の542億7,000万香港ドル)では、前年の売上高をわずかに上回った。他方、「百貨店」(9.9%減の312億9,800万香港ドル)および「衣類、靴および関連製品」(9.1%減の347億6,700万香港ドル)はそれぞれ前年から約1割減となった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は今後の見通しについて、「経済活動の正常化の進展や、インバウンド観光客の増加も見込まれることは、小売売上高にプラスに働くだろう」と述べた。

香港小売管理協会の謝邱安儀主席は、足元の状況について「中国本土との往来再開が開始したばかりの現時点では、中国本土からの観光客は大幅な増加がみられていない。小売業者によると、人の流れは改善したものの、ビジネスに影響するかたちでの顕著な改善にはいまだ至っていないという」と述べ、「小売売上高は2023年第1四半期に回復に転じ、下半期にかけて正常化して大幅な回復が見込まれる」との見方を示した(「信報」2月4、5日)。

(松浦広子)

(香港)

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