リヤドで大規模テックイベント「LEAP2022」が開催

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年02月04日

サウジアラビアのリヤドで2月1~3日、大規模テックイベント「LEAP2022」が開催された。同イベントは、最新の技術に関する展示会・カンファレンスで、技術の未来とその役割に焦点を当て、革新的な解決策を見いだすことがテーマとなっている。世界40カ国から700社以上の企業が参加しており、シスコやファーウェイ、エリクソンなどのグローバルIT企業に加え、サウジテレコム(STC)やMobilyなど大手サウジ企業も名を連ね、先端技術を披露した。

会場前の道路では自動運転による電気自動車が走行し、会場内では案内ロボットや四足歩行ロボットが駆け回るなど、技術発展が将来の社会にどのような影響を与えるのかを想像させる工夫が施されていた。

ブースでは、各国のスタートアップ企業が自社製品の魅力をアピールし、ベンチャーキャピタルを含む200社以上の投資家との商談がなされた。

パネルディスカッションや基調講演では、欧米主要企業の代表者やサウジ政府の要人が、デジタル、エネルギー、環境、フィンテック、ヘルスケアなど幅広い分野をテーマにディスカッションしたほか、さまざまなプログラムや新たな取り組みについて発表した。

アブドゥルアジーズ・エネルギー相は「技術発展は、2060年までにカーボンニュートラルを目指すとする計画の達成を早める」と述べ、他国の解決策を待つのではなく、率先して技術を開発していくことで、サウジアラビアが進めるグリーンイニシアチブ(2021年10月25日記事参照)を推進するという強い姿勢を示した。また、国内の若い世代の能力と希望に満ちたアイデアが、今後のサウジアラビアを支えるとし、主要産業において若年層を雇用する重要性についても述べた。

国営石油会社サウジアラムコは、長期的な視野に立って、次世代技術の発展に寄与するスタートアップ企業を支援するため、10億ドル規模のベンチャーキャピタルファンドの設立を正式に発表した。STCもファーウェイとの間でデータセンターの開発に関する覚書を締結するなど、国内外のグローバル企業が、サウジアラビアの今後のデジタル分野の可能性について期待していることを示すイベントとなった。

写真 会場外を走行する自動運転による電気自動車(ジェトロ撮影)

会場外を走行する自動運転による電気自動車(ジェトロ撮影)

写真 会場内の四足歩行ロボット(ジェトロ撮影)

会場内の四足歩行ロボット(ジェトロ撮影)

(位田陸)

(サウジアラビア)

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